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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
027話 修学旅行編 3日目(02) 二箇所の戦闘風景
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種に防御の命令を下すがそんなもの、私の前では紙切れも同じ。敵が防ぐ回数より多く、そして強くマシンガンのようにガンドを放つ。
さすがに不利と感じたのか女は一度距離を取り幻想種の鬼にどでかい弓矢を構えさせた。
その行動は何の意味なのか怪訝に思ったとき、符術師の女は城下で今もなお戦っているセツナと私に向かって、少しでもおかしい動きをしたらコノカに矢を放つと脅迫してきた。
さすがの私もあんなものは防げないと判断し動きを止める以外に選択肢はなかった。

《姉さん大丈夫か!》

そこでちょうどいいタイミングでシロウから念話が伝わってきた。
ネギにもその意が伝わったのか幾分ホッとしているみたい。ピンチな状況なのは変わりないけど。

《どうやらピンチのようだな》
《ええ…今のこの状況、どうにかできる、シロウ?》
《宝具を使う…!》
《えっ!?》
《上空から弓を構えている幻想種を打ち貫こう》
《わかったわ。頼むわね、シロウ》


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮士郎


姉さんからのGO!サインが伝わってきたため俺は『剣製の赤き丘の千剣』の上に立ち射法八節を組みそして、

投影、重装(トレース・フラクタル)―――I am the bone of my sword(我が骨子  は 捻じれ  狂う)!」

投影したるはケルト神話の英雄、フェルグスの宝剣『カラドボルク』。そしてそれを矢として改良して出来上がった柄から先まで捻じ曲がった螺旋剣。
それを弓に番え魔力を高めていく。それにいち早く気づいたらしい白髪の少年が2キロは離れているというのにこちらに振り向いたが、もう遅い!

「茶番は終わりだ! “偽・螺旋剣(カラド・ボルクU)”!!」

弓から放たれた魔剣は瞬く間に亜音速で空間を貫き幻想種へと向かっていった。
結果はすでにわかっている。
否、防ごうとしてもそれごと見事に粉砕するだろう。
だが、そこでミスが生じた。俺が放つ直前に城の屋上には運悪く突風が吹き荒れネギ君達は多少だが動いてしまったのだ。
それで忠実に命令に従っていた幻想種はカラドボルクに貫かれる前に矢を放ってしまっていた。

――俺は残心がまだあったためすぐには動けない。
――姉さんも防ぐほどの魔術を今からでは生成するのは不可能。
――ネギ君は実体でないため魔法すらも使えない。

万事休すかと思われた次の瞬間、

このかの前に、盾となり貫かれた、刹那が、いた。
俺は恐らく刹那の名を叫んだのだろう。刹那はそのまま落下していった。しかもそれを追ってこのかも飛び降りた!?
俺の今の腕ではこいつを乗りこなすのは困難……また、助けられないのか!? と苦虫を噛んだが、このかが刹那を抱きかかえた瞬間すさまじい光が溢れた。
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