023話 修学旅行編 1日目(02) 対、西の刺客
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で体が石になったんじゃないかという錯覚すら覚えてしまった。
◆◇―――――――――◇◆
Side 桜咲刹那
「これから、どういったことをするというのだね? この外道が……」
突然後ろから士郎さんが助けに来てくれたのだが、そのあまりに濃い殺気に私……いや、その場にいたすべてのものが足を止めた。
洋弓を左手に持ち、私達の横を通り過ぎる。
こんな殺気を私は今まで体験したことはない。妖怪や化け物に殺気を向けられたこともあるがこれほどの緊張感をいまだかつて持ったことはない。
化け物と比べることがおかしな話というほどに士郎さんの殺気は尋常ではなかった。
「あ、あわわ……な、なんでや!? しこたまぎょうさん式で足止めをしておいたはずや!」
「あれか……? く、くくく、俺もずいぶんと舐められたものだな? あのような雑魚無勢……串刺しにして今頃はどこぞの壁にでも張り付いているのではないか?」
士郎さんは淡々と語っているが雰囲気はもうまるで別人だ。あれが本当の士郎さんの素顔、なのか?
「さて、このかを返させてもらおうか」
「ひ、ひぃぃぃぃいっ!?」
士郎さんはゆっくりと女に近づいていく。月詠はなんとか動けたようで士郎さんの前に立ちはだかったが、
「…ああ、抵抗はしない方がいいだろう? さもなければ、消すぞ……!」
呪符使いの女だけではなく月詠も真正面から士郎さんの殺気を浴びて戦意喪失したかのように立ち竦んでいる。……少しにやけているのが怖いが。
それよりも。カタカタと震えながら、呪符使いの女は背中が壁であることも忘れて立たぬ足の変わりに腕だけで後ろに下がろうとする。
「ひ…ひ…」
声にならない悲鳴を上げながらも、女は士郎さんから視線を外すことはなかった。
恐怖か、または眼で命乞いをしているのか……?
その立場になって見なければわからないだろう。
そしてすさまじい殺気が含まれていた眼光を浴びて敵であった二人は、そのまま士郎さんの放った弓矢で壁にまるで虫の標本のような格好にさせられて気絶してしまっていた。
すると士郎さんも殺気を霧散させてお嬢様を抱きかかえた。その顔はいつもの顔に戻っていていた。
それから遅れてイリヤさんがやってきて今の惨状を一目見て、
「……シロウ、少しやり過ぎよ? 手加減したとは言え気絶させちゃうなんて……ネギ達は大丈夫だった?」
イリヤさんに言われて私は初めて全身にどっと汗を掻いていることに気づいた。神楽坂さんもネギ先生も私以上に滝のような冷や汗を掻いていた。
これだけの殺気、慣れていない人が気絶しないだけでも大したものだろう。
「し、士郎さん。先ほどの殺気は本気ではなかったのですか?」
「まあな。お前たちまで気絶させてしまっては本末
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