020話 刹那の告白、そして…
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なんですか? あそこはお嬢様にとって危険が及ぶかもしれない場所なんですよ!?」
「それもそうじゃがの……」
「刹那、うすうす感じていたがやはり西のものは、このかを手中にしようという輩はいるのか?」
「はい。私も詳しくは知りませんがお嬢様の潜在能力は学園長ゆずりでネギ先生を上回る力を秘めているんです」
「なるほど……それなら魔法も何も知らない無防備といってもいいこのかは利用されてもおかしくないな」
「はい。ですから今回はどうしてこの提案を呑んだのか学園長の真意を確かめにきました」
「そうじゃの。やはり一つは先ほどのことじゃ。それとこのかや……刹那君にも久しぶりに故郷に帰って羽を伸ばしてもらいたいんじゃ」
「わ、私には……故郷と呼べる場所は……」
刹那はそれきり声を出さず体をわらわらと震わせた後、いきなり学園長室を出て行ってしまった。
「刹那!」
「士郎君!」
「なんですか!?」
「刹那君を頼むぞ」
「…………」
◆◇―――――――――◇◆
俺は学園長の言葉を無言で頷いて刹那の後を追っていった。
それから気配を探りながらなんとか刹那に追いついたがその場所はよく楓が修行をしている森の中だった。
「刹那……」
「士郎さん……どうして、追ってきたんですか?」
「そんなつらそうな顔をした奴を放っておけるか。それよりなにか隠していることがあるんじゃないのか? 別に言いたくなければ聞かないが、もし良ければ相談に乗ってやるぞ」
「そう、ですね……士郎さんになら話しても大丈夫だと思います。少し、待ってください」
「……ああ」
しばらくすると刹那から人間とは違う気配がじわじわと表に出てきて次の瞬間、刹那の背中からは白い翼が飛び出してきた。
最初、驚きはしたもののこれがこのかを避ける理由の一つだという考えにいたって……なにか無性に腹が立ってきた。
「この通り私は化け物です。だから前に話したとおり私はお嬢様を影でしか守ることしかできません。それに、気持悪いでしょう?」
悲しげな瞳で微笑を浮かべて刹那はそんなことを言い出した。
それを聞いて俺はさらに腹が立った。
ただ翼があるだけで化け物? 翼が生えているだけで気持悪い? だからこのかとは一緒に歩いていけない? ふざけるな!
気づいたときには衝動的に俺は刹那の頬を叩いていた。
◆◇―――――――――◇◆
Side 桜咲刹那
……ついに私の正体を明かしてしまいました。
士郎さんは私のこの醜い姿を見て何を思っているのか、何を感じたのか。聞くのがどんどん怖くなってくる。
だけどもう見せてしまったことに後悔はない。士郎さんにならこの醜い姿を見られても平気だという安心感がなぜかあったからだ。
だが士郎さんが私を見る目
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