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レーヴァティン
第百三十七話 肝その二

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「何があろうともすべきではない」
「いい考えぜよ」
「そう言ってくれるか」
「何度聞いてものう」
「実際にそうしているがな」
「実行もあるとじゃ」
 さらにというのだ。
「余計にいいぜよ」
「そして実際にあるからか」
「おまんはいい男ぜよ」 
 こう英雄に言うのだった。
「まっこと」
「そうか、しかしだ」
「それでもじゃな」
「俺はこうした時平気になったが」
 それでもというのだ。
「普通は違うな」
「やっぱりじゃ」
 どうしてもとだ、当季は話した。
「こうした時は怖くてぜよ」
「行かないな」
「総大将自らとはのう」 
 とてもというのだ。
「いかないぜよ」
「そういうことか」
「そうれが出来てるってことは」
 まさというのだ。
「やっぱりそれだけでじゃ」
「この度の話はか」
「こっちの流れになってるぜよ」
「ならか」
「降ることもじゃ」 
 それもというのだ。
「有り得るぜよ」
「そうか、だが俺は喋ることはな」
「あまりじゃな」
「出来ないと自分で思っている」 
 だからだというのだ。
「それでだ」
「喋るのはじゃな」
「してくれるな」
「おう、そこは任せてもらうぜよ」
「拙僧もです」
 謙二も言ってきた。
「及ばずながら」
「話してくれるか」
「はい、そして」
「降ることをだな」
「是非共」
 掴み取る、そうした言葉だった。
 英雄は当季そして謙二と話しつつ鹿児島の城に入った、そのさして大きくない城の中を進んでだった。
 英雄達は主の座に案内された、するとだった。
 四人の男達が彼を主の座に据えると深々と頭を垂れて言ってきた。
「どうかここはです」
「この薩摩と大隅を譲り受けて下さい」
「そして民達を治めて下さい」
「お願いします」
「降るというのか」
 英雄は当季を右のすぐ下に、謙二を左のすぐ下に置いて自分の前に控えた姿勢になっている四人に尋ねた。
「俺に」
「はい」
 長兄と思われる最も年長の者が答えた。
「左様です」
「戦わないのか」
「そのつもりでしたが」
 それがというのだ。
「ですが」
「それがか」
「貴方様は総大将ですが」
 それでもというのだ。
「ご自身がここに来られました」
「そのことからか」
「貴方の強さを見ました」
「心の強さを」
 次兄と思われる者も言ってきた。
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