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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
014話 新学期、対真祖編(01)  桜通りの吸血鬼
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利と感じとったのかエヴァンジェリンは茶々丸とともに屋上から飛び降りて逃げていった。

「逃がすとおも―――……ん?」

黒鍵を投擲しようとしたが突然ネギ君が俺の腰にしがみついていた。
どうやら緊張が抜けたのか恐怖心が表に出てきたらしく泣き出していた。
しょうがなくネギ君が落ち着くまで頭を撫でてやっていた。

「それにしても、士郎さん助かりました」
「気にするな、アスナ。当然の行動だからな。それよりネギ君を部屋まで頼む。途中まで送ろう」
「ありがとうございます。ほらネギ!いつまでも泣いてないで帰るわよ!?」
「こらこら。まだネギ君は体を震わせているのだからゆっくり帰ろうではないか?」
「そう、ですね」


◆◇―――――――――◇◆


Side エヴァンジェリン・A・K・マクダゥエル


どうやらまだぼうやは誰とも仮契約を結んでいないようだからまだチャンスはある。
当然、神楽坂明日菜も所詮はただの中学生。私達の敵ではない。
だが……衛宮士郎だけは違う。奴は最初から私のことを吸血鬼と気づいていた。それに3キロは離れて偵察していたというのにそれすらも気づかれていた。
極めつけはあの剣だ。あれは昔見たことがあるがよくエクソシストが使う名を『黒鍵』。私達吸血鬼にとって天敵といってもいい武装。
奴はエクソシストなのか? いや、そのような気配は感じない。では奴は一体なんなのだ!?

「…茶々丸。衛宮士郎と衛宮イリヤのことを念入りに調べておけ。厄介な敵には違いないからな」
「わかりました、マスター」

ふふふ……だが、この『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』である私がこの程度で臆したと思ったか? 時が来れば貴様など軽く倒してやる。覚悟しておくんだな衛宮士郎!
私は久しぶりの強敵に血がたぎる気分になっていた。

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