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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
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。アタシの事も名前で呼んでよ」
「……はい?」

 あまりの事に、洸夜は間の抜けた声を上げた。

「いや、何でだよ」
「良いじゃん。ね☆」
「いやいや、理由になってないから」

 そんなやり取りをしている2人のもとに、燐子が近づいて行った。
 2人は、揃って燐子の方を見た。

「どうかしたの白金さん」
「その……私も……名前で呼んでもらいたい……です」
「……え?」

 洸夜は再び動揺するのであった。
 そして、どうしてこうなったのかを、必死になって考えるのであった。

「あの……白金さん……」
「燐子……です」
「え、えっと……今井……」
「リサ」

 ここで洸夜は悟った。
 今、自身の置かれている状況が、所謂『詰み』というものだと。

「……わかりました。呼べば良いんでしょ」

 内心涙を流す洸夜は、やけくそ気味にそう答えるのだった。

「やった☆」
「やったじゃないよ……」
「でも、燐子があんな事頼むなんて意外だね」

 その言葉に、洸夜と燐子以外のメンバーが頷く。

「その……洸夜君とは……キーボードで……シンパシーみたいなのを……感じたんです……」
「なるほどね。だってよ、洸夜☆」
「そこで俺に振るなよリサ(・・)……。と言うかさ、俺前に燐子(・・)と会った事ある気がするんだよな……」

 その話に食いついたのは、意外にも紗夜だった。

「何時、何処で?」
「何でお前が食いついて来るんだよ……」
「それ……多分だけど……ピアノの発表会の時だと思う……」
「……ああ、思い出した。確か、小2の時俺が金賞貰った発表会で、銀賞取ってたよな?」
「うん……」
「そうやって考えると……『久し振り』……って言葉が一番合うのかな」
「そうだね……」
「そろそろ練習を始めるわよ」

 友希那の一言で、会話は終了した。
 それを聞いた洸夜も、退出しようとしたが、友希那に呼び止められた。

「洸夜君」
「何だ?」
「良かったら私達の演奏、見ていかないかしら?」
「まりなさんに聞かないとなんとも」
「全然構わないよ」

 突如扉が開き、まりなが現れる。

「何時からそこに居たんですか。と言うかどうしたんですか」
「君があまりにも戻って来るのが遅いから見に来たんだよ。で、今は私1人でも手が回るから見せて貰いなよ」
「なら、折角ですし???まりなさんの言葉に甘えてみようかな」
「うん。じゃあ、私は向こうにいるから」

 そう言い残して、まりなは受付の方へと行ってしまった。

「という訳なので、見させてもらいます」
「決まりね。皆んな」

 友希那の一言で、Roseliaのメンバーは、それぞれ配置についた。
 そして、友希那は洸
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