第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
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「ありがとう」
洸夜は、恥ずかしさを隠しながら、お礼を言った。
そんな洸夜に、赤メッシュの少女が尋ねた。
「そう言えば、初めて見る人ですね」
「彼、この前からバイト始めたからね〜」
突如現れたまりなが、そう言った。
「あ、まりなさん」
「こんにちわ〜」
「はい、こんにちわ」
マイペースそうな口調で放たれた挨拶に、まりなは慣れた感じで返すのだった。
「知り合いなんですか?」
「うん、蘭ちゃん達は、ここの常連さんだよ」
洸夜に問われたまりなは、そう答えた。
「じゃあ、自己紹介しておこうかな。氷川洸夜、バンド『Crescendo』のキーボード担当。宜しく」
洸夜が名乗り終えると、今度は少女たちが名乗った。
「美竹蘭です。ギター兼ボーカル。宜しく」
「青葉モカで〜す。ギターで〜す」
「宇田川巴です。担当はドラム。よろしくお願いします!」
「改めまして、羽沢つぐみです。担当はキーボードです」
「宜しく。で、羽沢に至っては昨日ぶり」
と、言った具合に4人が名乗り、それに洸夜が軽く返答する。
その後満を持して、最後の1人へと移る。
「上原ひまりです! 『Afterglow』のリーダー兼ベースです! 宜しくお願いします!」
「え、リーダー君なの」
「え、はい」
「俺てっきりそっちの子だと思った」
そう言って洸夜は、蘭を示した。
「いつもの事だよね〜」
「ひまりはなんか、リーダー感が薄いからな」
「2人とも酷くない?!」
そう叫んだひまりは、巴に泣きつくのであった。
「なんか……その……ごめん」
「構いませんよ。コレがコイツらにとっての『いつも通り』ですから」
「そうか……。で、君は?」
あ、と言ってから、少年は名乗るのだった。
「上条雷輝です。どうぞ宜しく」
「ああ」
少年???雷輝にそう返した洸夜は、少し考え込んでいた。
それに気付いた雷輝が、洸夜へと問いかけた。
「どうかしました?」
「いや、何でもない。それより、入らなくて良いのか?」
「お〜、そうでしたな〜」
洸夜の言葉に、モカがそう返答すると、Afterglowのメンバーと雷輝は、スタジオに入っていくのだった。
「……上条……雷輝ね」
先程から妙に引っかかるその名前を呟いた洸夜は、再びイヤホンを耳に挿すと、Crescendoの演奏を聴き始めるのだった???
Afterglowが練習を終えた後、洸夜はスタジオで機材の点検をしていた。
因みに、先程まで此処にいたAfterglowだが、何やら予定が入ってしまったらしく、2時間のところ、繰り上げて1時間半で練習を終えてしまった。
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