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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
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がやってもいいですか?」
「やってくれるの? なら、お願いしようかな」

 洸夜は頷くと、配置表を受け取り、スタジオへと入った。
 そして、軽く位置を把握すると、機材を取りに行き、必要な機材を倉庫から運び出していく。
 その後、運び出した機材をスタジオへ入れると、配置図通りに並べていった。

「よし、と」

 そう呟いた彼は、スタジオを後にした。

「まりなさん、配置終わりました」
「早いね〜。いやー、助かったよ」
「いえ。このまま受付に入ります」

 そう言って、再び受付の仕事へと戻る。
 だが、予約以外に人が来る気配もなさそうなので、洸夜は椅子を持ってきて座るのだった。
 そんな時、彼の携帯に1通の連絡が入る。

「……祐治から?」

 メッセージを開くと、そこには1つのファイルが添付されていた。
 洸夜は、そのファイルを開いた。
 そして、それを見た瞬間になんなのかを理解した。

「……音声データか」

 彼は懐からイヤホンを取り出すと、自身の携帯に接続し、データを再生した。
 イヤホンを伝い、彼の耳に音が届く。
 その音は、紛れも無い彼ら自身の演奏の曲だった。

「……鮮やかだ」

 洸夜は思わずそう呟くのだった。

「コラ、仕事中でしょ」

 呟いた直後、洸夜はまりなに注意された。

「すいません。曲のデータを貰ってつい……」
「曲って『Crescendo』の?」
「はい。今度またライブやろうって話になったので」
「そっかー。なら、是非ウチを会場にして」
「それはリーダーに相談しておきます」

 と、洸夜はきっぱり告げた。

「宜しくね〜。そっか、ライブの為なら仕方ないか」
「聴いてても?」
「良いよ。でも、人が来たら外してね」
「わかりました」

 許可をもらった洸夜は、再びイヤホンを耳に挿した。
 そして、曲の旋律を掴むことに集中する。
 そして、曲がサビに差し掛かった辺りで、 CiRCLEの扉が開く。
 洸夜は即座にイヤホンを外すと、対応する状態に移った。
 現れたのは、5人の少女と1人の少年だった。

「あの、予約してた『Afterglow』です」
「えっと予約人数は……5でしたよね?」
「えっと……」
「1人追加でもいいですか?」

 赤メッシュの少女の言葉に続けて、少年が言った。

「了解です。じゃあ、準備が整ってるのでAスタジオにお願いします」
「はい」

 そう言って、少女達はスタジオへと向かっていく。
 その際、少年が不意に洸夜へと問いかけた。

「あの、この前のCrescendoのライブの時、キーボード弾いてましたよね?」
「え、ああ。うん。そうだよ」
「あの時の演奏、凄かったです」

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