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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
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れないだろ。もしかしてアレか、恥ずかしいのか?」
「そ、そういう訳では……」

 そういった紗夜の顔は、真っ赤に染まっていた。

「図星だな」
「ッ……!」

 そんな彼女を見て、今度は洸夜がクスリと笑うのだった。

「な、何がおかしいの?」
「いや、紗夜は変わらないなと思ってさ」
「そう……?」
「ああ。そういうところ」

 洸夜の答えに、紗夜は首を傾げた。
 対する洸夜は、そんな彼女を抱きしめた。

「……ちょ、何やってるの?!」
「何と無くこうしたくなった、じゃダメ?」
「……ダメ」

 紗夜にそう言われた洸夜は、そっと彼女を離すと、代わりと言わんばかりに頭を撫でた。

「こっちぐらいなら構わないだろ?」
「もう……兄さんってば……」

 頭を撫でられている紗夜は、満更でもないと言う顔をしていた。
 洸夜は撫でるのを止めると、立ち上がった。

「兄さん何処に……」
「下に行ってなんか飲んでくる」
「そう」
「紗夜もなんか飲むか?」
「私は良いわ」

 紗夜に「ん」、と短く返した洸夜はドアノブに手をかけたところで振り返った。

「あ、そうそう。もし、何かあったら相談にのるよ。解決策を導くことは不可能かもしれないけど、できるだけのことはする」

 それだけ告げると、洸夜は部屋を後にした。
 残された紗夜は、数瞬の後に立ち上がると、自室へと戻った。
 そして、自身の机に座って「兄さん、ありがとう」と誰にと無く呟くのであった。

 余談だが、洸夜は部屋に戻ってから、自身がやったことを改めて思い返し、羞恥のあまり悶えていたのはまた別のお話???





 翌日の放課後。
 洸夜は、バイトの為に倉中第一高校から直接CiRCLEへと向かっていた。
 そして、CiRCLEへと辿り着いた洸夜は、店の脇に自転車を止めると、中へと入った。

「こんにちわ」
「あ、洸夜君」
「時間間に合いました?」
「バッチリ間に合ってるよ〜」
「良かった。今から入ります」
「うん、宜しくね!」

 洸夜は、奥へと入り準備を済ませると、受付を担当しに向かった。

「あ、今日は2つのバンドから予約が入ってるから」
「どれどれ……」

 洸夜は、置いてあった予約表を手に取った。
 其処には、『Afterglow』と『Roselia』の名前が記されていた。

「……うっそだろ」

 洸夜は思わずそう呟いていた。
 そして、直ぐに我に返り、本日1番目のバンド『Afterglow』の予約時間を再度確認する。
 そこに記されていたのは、30分後の時刻だった。

「まりなさん、スタジオの準備は?」
「ああ、Afterglowの? 今からだけど」
「自分
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