第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
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その結果がご覧の有様なんだよね……笑』
と、祐治、結弦の順に答えた。
『じゃあ、こうしよう。先ずはライブをやるからやないか』
『やりたいかな』
『そこには賛成だ』
『僕も同じく』
『俺もだ』
この意見には、皆賛成であった。
『じゃあ、どういうサプライズをするかで詰まったのか……』
『御察しの通り』
大きな溜息をついた洸夜は、携帯を持つ手を降ろすと、目を閉じた。
何か良い案がないかと、模索はしているのだが、それが見つかりそうにない。
『なら、お前らが結成した時の曲でもやるか?』
洸夜が適当に投下したその一言で、グループ内が静まり返った。
洸夜は一瞬、地雷原を踏んでしまったのかと焦った。
しかし、次に来た言葉はこうだった。
『それいいね』
結弦の一言だったが、その言葉から、全員が同調し始めた。
『そうか、その手があったのか』
『あの曲か……最近やってなかったし、久々弾きたいな』
『だな。あれは俺達のスタートな訳だし』
祐治、大樹、雅人の順に、賛成を告げてきた。
『じゃあ、それで行くの?』
『そうだな。異論は?』
『僕は無いよ』
『同じく』
『異議無し』
『了解。じゃあ、それで行こう』
こうして、拓巳に対して行う事は決まった。
洸夜は画面を閉じると、携帯を自身の傍に置いた。
「終わったかしら?」
「ん、ああ。で、その様子だと詰まったのか?」
「ええ。少しね」
洸夜は起き上がると、紗夜の隣に立ち、そこから覗き込むようにして問題を見た。
そして、立ちながら問題を頭の中で解き進める。
「んーとね、この問題は……ここの式を展開してだな……」
「こっちへ持っていくの?」
「そうそう。そっから掛けて……」
「こうなるのね」
「御名答」
こんな感じの遣り取りを交えながらも、2人は数学の問題を解いていった。
そして、本日分の範囲を終えた紗夜は、教科書を閉じた。
「ありがとう。良くわかったわ」
「いえいえ」
洸夜はそう言って、ベッドへと腰をかけた。
すると、紗夜も同様に洸夜の隣へと腰掛けた。
「部屋に戻るんじゃ無いのか?」
紗夜はその問いに答えることなく、洸夜の肩へと自身の頭を置いた。
対する洸夜は、動揺することなく、そっと尋ねるのだった。
「どうしたんだ、急に」
「そうね、こうしてみたくなったっていう理由だけじゃダメかしら? 兄さん」
そう言った紗夜は、クスリと笑うのだった。
対する洸夜も、軽く微笑むのだった。
「いんや、ダメではないけど。と言うか、久々そうやって呼んでくれたな」
「そうかしら?」
「普段は名前でしか呼んでく
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