暁 〜小説投稿サイト〜
その日、全てが始まった
第1章:出会い
第05話『諸行無常と永久不変』
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
その結果がご覧の有様なんだよね……笑』

 と、祐治、結弦の順に答えた。

『じゃあ、こうしよう。先ずはライブをやるからやないか』
『やりたいかな』
『そこには賛成だ』
『僕も同じく』
『俺もだ』

 この意見には、皆賛成であった。

『じゃあ、どういうサプライズをするかで詰まったのか……』
『御察しの通り』

 大きな溜息をついた洸夜は、携帯を持つ手を降ろすと、目を閉じた。
 何か良い案がないかと、模索はしているのだが、それが見つかりそうにない。

『なら、お前らが結成した時の曲でもやるか?』

 洸夜が適当に投下したその一言で、グループ内が静まり返った。
 洸夜は一瞬、地雷原を踏んでしまったのかと焦った。
 しかし、次に来た言葉はこうだった。

『それいいね』

 結弦の一言だったが、その言葉から、全員が同調し始めた。

『そうか、その手があったのか』
『あの曲か……最近やってなかったし、久々弾きたいな』
『だな。あれは俺達のスタートな訳だし』

 祐治、大樹、雅人の順に、賛成を告げてきた。

『じゃあ、それで行くの?』
『そうだな。異論は?』
『僕は無いよ』
『同じく』
『異議無し』
『了解。じゃあ、それで行こう』

 こうして、拓巳に対して行う事は決まった。
 洸夜は画面を閉じると、携帯を自身の傍に置いた。

「終わったかしら?」
「ん、ああ。で、その様子だと詰まったのか?」
「ええ。少しね」

 洸夜は起き上がると、紗夜の隣に立ち、そこから覗き込むようにして問題を見た。
 そして、立ちながら問題を頭の中で解き進める。

「んーとね、この問題は……ここの式を展開してだな……」
「こっちへ持っていくの?」
「そうそう。そっから掛けて……」
「こうなるのね」
「御名答」

 こんな感じの遣り取りを交えながらも、2人は数学の問題を解いていった。
 そして、本日分の範囲を終えた紗夜は、教科書を閉じた。

「ありがとう。良くわかったわ」
「いえいえ」

 洸夜はそう言って、ベッドへと腰をかけた。
 すると、紗夜も同様に洸夜の隣へと腰掛けた。

「部屋に戻るんじゃ無いのか?」

 紗夜はその問いに答えることなく、洸夜の肩へと自身の頭を置いた。
 対する洸夜は、動揺することなく、そっと尋ねるのだった。

「どうしたんだ、急に」
「そうね、こうしてみたくなったっていう理由だけじゃダメかしら? 兄さん(・・・)

 そう言った紗夜は、クスリと笑うのだった。
 対する洸夜も、軽く微笑むのだった。

「いんや、ダメではないけど。と言うか、久々そうやって呼んでくれたな」
「そうかしら?」
「普段は名前でしか呼んでく
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ