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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第二章:空に手を伸ばすこと その弐
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気かと驚いた仁ノ助は問いただす。

「お前が降りてどうすんだよ!金毘なら突破できるだろ!?」
「あんな糞ったれな賊なんて、あたしの愛馬諸共狙ってくる手合いに相違ないわよ!!金毘を殺されるよりも、降りた戦った方がましね!!!」

 周囲を取り囲む賊共を煽る形で彼女が言葉を出す。それを聞いて当たり前ではあるが野蛮な男共は怒り狂い、不敵に武器を構える二人を大声で罵声した。小娘一匹になめられては俺達の沽券に関わる。そう思ったのか、痺れを切らしたかのように包囲陣から二人の賊が飛び出してきた。いずれも若く、よほど屈辱的だったのか怒りでいきりたった様子で突っ込んでくる。

「なめんなクソゴラァ!!!!」「死ねよやぁぁ!!!!」

 三流のする事だな、包囲をするなら一斉に襲えよ。
 そういわんばかりに仁ノ助と詩花が、互いに一人の賊を捉えて同時に地を駆ける。
 仁ノ助はクレイモアを天に突き刺すように上段に両手で握って構えた。三尺は超える刀身を視界に入れて凝視した賊は、相手の思わぬ獲物に僅かな恐怖を覚えて足取りを遅めてしまった。それが決定的な命取りとは経験少ないこの者は知らなかったであろう。足取りを崩して止まろうとする賊の懐に一気に飛び込んだ仁ノ助は、冷えた目で男を見据えながら地面を強く踏みしめてクレイモアを一気に真下に降ろす。轟音を奏でながら刀身の刃は賊の頭の天辺を捉えて、勢いを全く殺さずに首・胴体・股を縦に真っ二つにするように降ろされ、
次いでその断面をなぞるように血飛沫が仁ノ助に振りかかる。自分の体を何かが両断した、そう思う暇もなく賊は死を迎える。凶刃の殺傷から一瞬遅れて賊の体が崩れ落ちる。膝をつく賊の体が二つとなって地に降ろされた刃を挟むように別れた。綺麗に両断された体からは、男の不健康な血がどばどばと毀れ出ており、傷口からは腸が脂肪にまみれて地面を赤と桃色で彩った。振り下ろされた刃は早くも次の獲物を求めてぎらついている。

 一方で詩花は余裕を持った表情で迫り来る賊をみていた。旅の途中で賊に襲われた事が何度かあったために、殺すのも慣れ始めている。今度は武器をちゃんと使って相手を丁寧に封殺しよう。
 そう思った彼女は賊の動きを強制的に止めるように戟を真っ直ぐに突き出した。突然迫りくる刃にびびった男は足に思いっきり力を入れて走りを止める。しかしそれでも刃は顔を貫くと思ったのか、刃を避けようと顔を背けた。男の勘が冴えていたのか、刃は先ほどまで頭があった場所を素通りした。だがこれはあくまで戟であり、決して相手に刺すだけで終わるものではない。詩花は引き手に思いっきり力を込めて、刃の裏についた鎌の部分を相手の首に寄せる。刃は男の頚動脈があるあたりに吸い寄せられるように持っていかれて男の首を切り裂いた。赤い噴水が男の首から漏れ出し、男が驚愕の表情をたた
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