第1章:出会い
第04話 『動き出した歯車』
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てからだいぶ経ってるから……冷めてるみたいだね」
結弦が苦笑しながら言った。
「俺は……このぐらいの温度がちょうどいい」
「お、同じく」
大樹と雅人は、そう答えるのだった。
「……この、俺に注いでくれたのなんだ、洸夜」
「あー、それは……」
「まさかお前、アレとか言わないよな?」
答えようとしたところで、祐治に尋ねられた。
「ンなわけないだろ。流石に俺はあそこまで鬼畜じゃねぇよ。ただのレモンティーさ」
と、洸夜は中身を打ち明けた。
「レモンティーか」
「ここのレモンティーは香ばしいが飲みやすい。俺が保証する」
そう言われた拓巳は、カップの中身を口に含んだ。
「……本当だ。スッキリしている」
「僕も頂いていいかな?」
「はいよ。まだ余ってるから飲んでくれ」
そんな感じで、30分程お茶をしてから会計を済ませ、彼等は店を出た。
それから、出てすぐに各々用事があると言ってその場で解散となった。
そして現在、洸夜は祐治と共に帰路へと着いていた。
「ありがとな洸夜。アイツの後任を引き受けてくれて」
「こっちこそ、頑なにやらないって言い張ってた俺を、迎え入れてくれてありがとう」
そう言って、互いに笑い合った。
「相変わらずお互い様、だな」
「そうだな」
と言い合って、彼らは歩き続ける。
「にしても……拓巳に何かしてやりたいな」
突然、祐治が呟いた。
「あ、俺に考えがあるんだけど」
「どんなのだ?」
洸夜の言葉に、祐治は聞き返した。
「???『Crescendo』最後の、ライブをやろうぜ」
その言葉に、祐治は足を止めるのだった。
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