第1章:出会い
第04話 『動き出した歯車』
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そう呟いた祐治は、何かを納得したような表情をとった。
「その様子だと、前々から何かに感づいてはいたのかな?」
「まあ、な」
洸夜の問いかけに、祐治は歯切れ悪く答えた。
「お待たせしました。コーヒー4つと???チョコレートケーキにアイスティーです」
直後、品物を持ったつぐみが洸夜の側へとやってきた。
「はーい。よっと……」
洸夜は、受け取ったコーヒーを1人ずつに渡して行く。
そして、最後に自分が頼んだものを受け取る。
「あ、羽沢……」
「はい……?」
洸夜は、つぐみに対して誰にも聞こえないような声で、何かを告げた。
「わかりました」
洸夜の言葉に頷いたつぐみは、再び店の奥へと入っていった。
「何を話してたんだ……?」
「まあ、そのうちわかるさ」
雅人の質問を、洸夜は何事もなかったかのように流した。
「さてと……」
そう言って、洸夜はフォークを手に取りケーキを食べ始めた。
「……美味い。反則級だ……」
そう呟くと、幸せそうな表情をした。
「女々しいな……」
「よく言われる」
祐治の言葉に短く返答すると、再びケーキを口に運ぶ。
「……お前、状況わかってるのか?」
そんな洸夜に対して、雅人が苛立ったように言った。
「ん? ああ、まあそれなりには」
言葉とは裏腹に、洸夜はそんなことなど御構い無しといった具合でケーキを食べ進めていた。
「お前なぁ!」
「あのさ」
そんな雅人に対して洸夜は、先ほどとは打って変わり、真剣な口調で告げた。
「今の俺は、部外者なんだぜ? そういう話は、そっちだけでやってくれない?」
そう言って、拓巳を指差した。
「そもそも今日の主役はあっちだろ? 俺じゃない。聞きたいことなら、そっちに聞くんだな」
最後まで、口調を変えることなく洸夜は告げた。
「……洸夜の言う通りだ。今日の主役は拓巳であって、洸夜は飽く迄も部外者だ」
「祐治……!」
雅人は反論しようとしたが、言葉が続くことは無かった。
「リーダーもこう言ってることだし。お茶ぐらいゆっくりさせてくれよな」
そう言い終えると、洸夜は自身の前にあるアイスティーにガムシロップと、コーヒーフレッシュを入れるとストローで混ぜ始めた。
「で、磯貝の言いたいことはそれだけなのか?」
アイスティーを混ぜ終えた洸夜が問い掛けた。
拓巳は、そっと首を横に振った。
「だとさ。リーダーさん」
「拓巳、どうして言ってくれなかったんだ」
洸夜に話を振られた祐治は、拓巳にそっと尋ねた。
「最初に言った通り、怖かったんだ。皆んなに
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