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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第04話 『動き出した歯車』
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のブラックを4つ」

 祐治がそう告げた。

「はい。少々お待ちください」

 そう言って、つぐみは奥へと入っていた。

「……なあ」

 祐治が洸夜に問いかけた。

「何?」
「お前、ここの常連か?」
「うん。頻繁ではないけどね」
「じゃあ、さっき頼んだ『いつもの』って言うのは何を頼んだの?」

 今度は、結弦が問いかけてきた。

「ああ。えっとチョコレートケーキに???アイスティー(・・・・・・)
「「「「……え?」」」」
「へ?」

 洸夜の回答に、一同は声を揃いて驚いた。
 対する洸夜も、素っ頓狂な声をあげた。

「なあ、ここって珈琲店だよな」
「うん」

 雅人の問いに、洸夜は頷いた。

「なんで、珈琲店でコーヒーじゃなくてアイスティーなんだよ」
「それは……俺がコーヒーより紅茶派だから、かな」

 と、答えになっているようでどこかずれているようなことを言った。

「そういえば、洸夜って昔から紅茶好きだよな」

 祐治が思い出すような仕草とともに言った。

「うん。ドリンクバーとか頼んでも、紅茶があればそればっか見たいな感じ」
「意外な一面……」

 洸夜の言葉に、大樹は驚くのであった。

「まあ、ここのコーヒーは美味いから頼んだりもしてるさ」
「お前、気分によって飲む物変えるもんな」
「そうそう」

 祐治の言葉に、洸夜は相槌をうった。

「まあ、はい。そういうわけです」
「なるほど」

 と、結弦が反応してくれるのであった。
 暫くすると、入り口の扉が開き、新たな客が訪れたことを知らせた。

「来た……かな」

 祐治がそう呟いた。

「じゃないかな」

 洸夜は、祐治に対してそう返した。
 そして、今日呼び出した張本人???拓巳が現れた。

「……お待たせ」

 そう言った拓巳の表情は、暗かった。

「お前が遅れてくるなんて珍しいな。体調の方は良いのか?」

 席に着いた拓巳に対し、祐治はそう声をかけた。
 その際の拓巳は、心ここに在らずといった様子だった。

「……みんな、ごめん」

 そう言って拓巳は、頭を下げた。

「何が……だ?」

 雅人は、突然の行動に驚きが隠せなかった。

「俺、嘘をついた」
「「「え?」」」

 拓巳の言葉に、祐治と洸夜以外は驚いた。

「なんで……そんなことしたの?」

 結弦は信じられないといった具合であった。

「怖かったんだ……皆んなに、この話をして拒絶されるのが」
「で、どういう理由があってそうなったんだ?」

 祐治が、拓巳へと問いかけた。

「今度……関西へ引っ越すことになったんだ」
「……なるほど」
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