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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第04話 『動き出した歯車』
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 そう言って、ベランダへと向かう。
 そして、窓を開けたところであ、と言ってた洸夜は振り返った。

「夜遅くに呼び出してごめんな。話は、取り敢えずこれで終わったよ」
「なら、戻ってもいいの?」

 紗夜の言葉に、洸夜は頷いた。

「紗夜はまだ勉強の続きがあるんだろ? それに、日菜も観たいテレビがあるんじゃないのか?」
「ええ。もう少しばかり残ってるわ」
「確かに観たいテレビあるよ。お兄ちゃん良く分かったね」

 洸夜は微笑んでこう告げた。

「伊達にここまで2人の兄貴はやってないよ」

 そう言って、ベランダへと出て行った。
 そんな彼を見送った2人は、そっと笑うのであった???





 翌日の放課後。
 洸夜は昨晩掛かってきた拓巳からの電話で、今日の放課後に商店街の羽沢珈琲店に呼び出されたのであった。
 カランカランと言う音ともに、洸夜は入店した。

「いらっしゃいませ。あ、洸夜さん」

 パタパタという足音ともに、茶髪の少女が洸夜の前に現れた。

「羽沢。久し振り」

 彼女は、ここ羽沢珈琲店の1人娘である『羽沢つぐみ』。
 洸夜は、頻繁に出はないがこの店に通っているため、彼女とは顔馴染みである。

「今日は1人ですか?」
「いや、待ち合わせを……。ここに4、5人組の男子高校生みたいな奴ら来なかった?」

 あ、それならと言って、つぐみは告げた。

「1番奥の席に」

 洸夜は示された方向を見た。

「……アレだ」

 其処には、拓巳を除いた『Crescendo』のメンバーが居た。
 洸夜はそちらへと歩み寄っていく。

「……洸夜か。どうしたんだ?」

 側へ行くと、祐治が声をかけて来た。

「呼ばれたんだ。ここへ来いって」

 そう言って、祐治の隣の席へと座る。
 因みに、今の席の配置は壁側の座席に結弦と雅人、通路側の席に大樹と祐治といった具合で座っている。

「拓巳に……か」

 雅人の言葉に、洸夜は頷いた。

「にしても……拓巳の奴、何の用なんだ?」

 大樹が呟いた。

「それに、氷川君をここに呼ぶなんてね……いつ知り合ったんだい?」
「CiRCLEでバイトしてる時に、ね」

 結弦の質問に手短に答えた洸夜は、メニューに目を通し始める。

「今日は……何頼もっかな」

 などと呟きながら。

「お前、もう頼むのか?」
「来たのに、何も頼まないのは失礼だろ? あ、すいません」

 洸夜が呼ぶと、はーいという声とともに、つぐみが現れた。

「えっと、いつもの頼めるかな?」
「はい。承りました」
「皆んなは?」

 他のメンバーは顔を見合わせた。

「じゃあ、コーヒー
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