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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
009話 怒路暴琉(ドッチボール)
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とゾッとしますよ」
「そんなにイリヤ君は怖いのかい?」
「ええ、姉さんの性格は天性のあくま属性ですから。だからあの、人をおちょくるのが三度の飯より好きそうな学園長とは気があってまして」
「それは……たしかに怖いね」
「ですよね」

俺はため息をついていると中庭が騒がしいのに気づいたので目を凝らしてみてみるとなにやらアスナ達が高等部の生徒と喧嘩をしているようだった。
それでなぜか高等部の女子達の中心ではネギ君がもみくちゃにされていた。

「はぁ〜……またなにをやらかしたのか? すみませんタカミチさん。荷物は後で運んでおきますのでここに置いておいてください。これでもネギ君の補佐をするのも仕事ですから少しいってきます」
「わかったよ。すまないね、それじゃ僕は用があったんでここで失礼するから後は頼んだよ?」
「了解した」

それでとりあえず俺は一番騒がしいアスナと雪広の二人の制服の襟部分を掴んで、

「そこまでだ。アスナに雪広」
「士郎さん!」
「あ、士郎さん!?」
「士郎先生!?」
「とりあえずなんでこんな喧嘩に発展したのかわからないが女の子同士が喧嘩なんてはしたないぞ?」
「でも士郎さん!」
「でも、もなにもない。まず喧嘩は先に始めたほうが負けだぞ? 雪広も委員長でみんなをまとめる立場にあるのだからまずは場を収めることが大事だぞ?」
「……すみませんでしたわ、つい頭に血が上っていました」
「反省しているならそれでいい。それと君達は高等部の生徒だね? 少し、いきさつを見ていて察するに彼女達の遊んでいたところに横槍して追い出そうとしていたところか? 上級生なのだから順番は守らなければいけないぞ?」
「さ、さっきからなんですかあなたは? いきなり現れて説教なんて……」

(英子! あの先生、広域指導員の白夜の鷹というあだ名で不良生徒に恐れられてる衛宮先生だよ!?)
(えっ!)

「おや? 知らなかったかね? 俺はネギ君と一緒に副担任として2−Aで働いている衛宮士郎というものだ。とりあえずいっておくが下級生相手に手を出すのは大人気ないと思う。だから以後、気をつけてくれたまえ」
「ッ……すみませんでした」

どうやらしぶしぶ納得したのか高等部の生徒達は帰っていった。

「さて、みんな怪我はないか? なにか痛みがあるのならすぐに保健室に向かうといい。それじゃネギ君、後は頼んだよ。俺はあれを運ばなければいけないから」
「あ、はい…………あれを?」
「そうだが?」
「でも、さすがにあんな重そうなストーブを1人では……」

俺は平気だといって約20kg位ある大きいストーブを持ち上げると、後ろで「すご……」とかいう驚愕の声が聞こえてきたが気にせず所定の場所まで運んでいった。


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