暁 〜小説投稿サイト〜
その日、全てが始まった
第1章:出会い
第03話 『再起』
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うか? 

 態々同じ家にいるのに、何故メッセージを飛ばしてきたのだろうか? 
 そもそも、今は自身も日菜も突き放されているのに、何の用なのだろうか、と。
 そんな思いと共に、本文へと目を通す。

『今日の9時に俺の部屋へ来て欲しい』

 その文面は、とても簡潔的なものであった。
 だが同時に、何処と無く決意を含んだものでもあった。
 紗夜は、時計を確認する。

 現在の時刻は7時28分。
 呼び出しの時間まで、後1時間半以上もあった。
 紗夜は、携帯を元の位置に戻すと、再び復習の作業へ取り掛かる。

 しかし、洸夜からのメールの内容を考えてしまい、それどころでは無くなってしまった。
 仕方なく紗夜は、作業をやめ1階のリビングへと向かった。

 リビングへ向かうと、ソファーに体育座りしてテレビを観ている日菜が居た。
 紗夜は何も言わずに、その隣へと座った。

「……」
「……」

 お互い、何かを言うこともなく、ただただテレビに映るバラエティー番組を観ていた。

「「……ねぇ」」

 そして、2人は同時にお互いへと問いかけた。

「……何?」
「……お姉ちゃんから良いよ」

 日菜にそう言われた紗夜は、頷くと口を開いた。

「貴女は……今の洸夜をどう思う?」

 少し考え込んだ後に、日菜は口を開いた。

「……なんだろう。うまく言えないんだけど……何かにずっと怯えてる様だった。だから私は……昔みたいに笑って貰いたかった」

 そう言った日菜は俯いた。

「……そう言うお姉ちゃんは……どうなの?」

 ゆっくりとあげた顔を、紗夜の方へ向けながら問いかけた。

「……私も、日菜と同じ考えね。私自身も昔みたいに……笑っていたいわ」

 紗夜は、そう言って正面を向き俯いた。

「……私は部屋に戻るわ」

 そう言って、紗夜は部屋へと戻った。
 机の前に座り直すと、再び復習へと取り組むのであった。
 そして、呼び出された時刻の5分前。

 紗夜は、部屋を出ると洸夜の部屋の前へと向かう。
 扉を2回ノックしてみた。
 しかし、反応が無かった。

「洸夜? 入るわよ?」

 そう言って、扉を開けた。

「あ、お姉ちゃん」

 そこに居たのは、洸夜では無く日菜だった。

「……日菜?」

 今の状況に、紗夜は整理が付いていなかった。

「お姉ちゃんもお兄ちゃんに呼ばれたの?」
「ええ……」

 なんとか答えられる事であった為に、紗夜は答えたが相変わらず頭の中は追いついていない。
 すると、スライド式の窓が開く音がした。
 そして、カーテンの裏から眼鏡をかけた、呼び出した本人(洸夜)が現れた。

「洸夜……」

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