第1章:出会い
第03話 『再起』
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に引っ越すことを打ち明けたらな」
『……なるほど。分かった。俺は正直に話してくる』
「ん。まあ、そう言うことだから、なんかあったら連絡してくれ」
『うん。あ、最後に1ついいかな?』
「なんだ?」
突然の事に、洸夜は僅かだが動揺していた。
『どうして……連絡先を置いていったんだい?』
それは、洸夜としてはあまり聞いて欲しくなかった事であった。
「……気まぐれにしか過ぎない。それだけだ」
『そう言うことにしておくよ。じゃあね。俺はいかないとだから』
「……んな?! ちょ、おい……」
そうして通話は終了してしまった。
「……マジかよ」
呟きながらも、洸夜は席へと戻る。
「えっと……洸夜は、またバンドをやるの?」
リサが洸夜へと問いかける。
「……さっきの聞こえてたのか」
「ええ。全部ね」
溜息を1つ吐いた洸夜は、改まって言った。
「そうだ。俺はもう一度やってみようと思う。さっき、湊に言われた通り、今までずっと逃げてきただけだったからな」
それに、と言って洸夜は続けた。
「……俺は試してみたいんだ。自分の実力で、どこまで通用するか。だから、俺はステージへともう一度戻る」
そう言った洸夜の言葉は、多大な覚悟を秘めていた。
「……随分と急な話ね」
友希那は、洸夜へと言った。
「かもな。でも、さっき2人に言われて自分に嘘ついて生きるのはやめようと思ったんだ」
「その結果が、再びバンドをやるってことなの?」
洸夜は頷いた。
「本当は……もっと音を奏でたい、ってずっと思ってた位だからな」
「そっか。じゃあ、また洸夜の演奏が聴けるのかー」
リサがそう言った。
「まあ、そうなるのかな。後???」
洸夜は、友希那の方へと向き直った。
「この前は、悪かった。カッとなって変なこと言った事……」
そう言って、頭を下げた。
「良いわ。別に気にしてない」
その言葉を聞いた洸夜の脳裏には、一瞬だけだが『ツンデレ』なる言葉が浮かんだ。
「……何か変なこと考えてないかしら?」
「……何も」
内心ドキリとした洸夜であったが、何食わぬ顔のままそう答えた。
「あ、そうだ。洸夜、連絡先交換しよー!」
「……何で?」
リサにそう言われた洸夜は、豆鉄砲を食らったような顔をした。
「いいじゃん。減るものでもないし」
そう言われた瞬間に、『容量が減る』と言いかけてしまったが、グッとその言葉を飲み込んだ。
「……仕方ないな」
そう言って、洸夜は携帯を取り出す。
「……これの連絡先でいいか?」
某トークアプリの画面を見せながら
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