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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
007話 ホレ薬の悪夢
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教師生活一日目が終わり、ネギ君が神楽坂にそうそうに魔法がばれるというハプニングがあったが口止めはしておいた。
よって俺はあせることもなく朝の日課に励めるものだ。
姉さんが目を覚ます前のまだ日が昇り始めて間もない四時ごろのこと。
俺は寮の外の森の中に入っていき干将・莫耶を投影して自然体で構える。
最強の剣士、サーヴァント・セイバーの称号を持つアーサー王ことアルトリアを仮想相手に決めて、シャドーとして剣技は雷のように速く、そして重い攻撃を何度も繰り出してくるものをなんとか捌き受け流す。
セイバーの剣は少しでも油断すればすぐさま得物ごと叩き割られてしまう。
昔の道場での稽古と聖杯戦争での経験でそれは悲しいくらい思い知らされた。
基本、俺の攻撃法はみずから隙を作り出し相手の攻撃を捌いてカウンターとして一撃のもとに切り裂くものだ。
だがシャドーはそれをも力押しですべて弾かれてしまうから一度の油断が死に繋がるものだ。
だから型を崩されたらすぐに体制を立て直し次の攻撃へとすぐさま戦闘経験を踏まえて対処するといった行動を何度も繰り返していた。

そして全力でシャドーに挑み10分以上が過ぎ、ついにやられたところで鍛錬を終了したところで、

「俺の鍛錬がそんなに面白かったか、桜咲?」
「え? い、いつごろから気づいて……」

思ったとおり桜咲が木の陰から出てきた。

「始めて三分くらいしたくらいからだな? 視野を広げてシャドーと対峙しながら桜咲を第二者と想定して警戒しながらも打ち込みをしていた」
「はぁ……感嘆の声しかでません。それよりどんな人物を仮想して相手をしていたのですか?
今の士郎さんの動きはそれこそ死合いを想定されたハイレベルなものでしょうが、見ていた限り本気そのものでしたから気になりまして」
「……そうだな。俺の知る限りでは世界でもっとも最高の剣士に位置づけられるものだ」
「最高の剣士……その方はどれほどの実力を秘めていたのですか?」
「そうだな。全身に西洋の青いドレスの上に銀の甲冑を身にまとっているというのにそれすらも苦にせず、まるで雷のごとく速く動き、そしてその一撃一撃は本気でなくても岩盤をも見事粉砕する威力を秘めている。
それでもまだ本気ではないのだから驚くべきところだが、もし本気が垣間見れることがあるのなら俺とは違い実力のある百の兵士をたった一人でも軽く乗り切れるだろう。
なにより奥の手を使ったならばまばゆい極光とともにすべてを無に帰す力を発揮する。
これは誇張ではなくまぎれもない真実だ。だから、俺はその人を目標にしていつか対等に戦えるようになりたいとも思っている」
「そんな素晴らしい人物が士郎さんの世界にいたんですね」
「いや、この世界にももしかしたらいるかもしれないぞ? 誰かとかは言わないがな」
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