004話 お買い物
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」
「そうそう、シロウはこれでも二メートルはある大剣も軽々と持っちゃうんだから」
「ま、持つコツもあるが今まで古今東西なんでも見てきたからな」
「そ、そうですか(この方は本当に底が見えませんね……)、その、聞いていいでしょうか? ほんとうに士郎さんは才能はないんですか? それだけの実力があれば十分の才能だと思うのですが」
「いや、才能がないのはほんとうだ。師匠にあたる人にも姉さんにも、それと今まで交流があったものには大抵才能はないと言われてきたからな。
その当の師匠にも真面目な顔で『へっぽこ』なんていわれていた始末だしな。
だから俺にあるのは実践で得た知識をフルに活用する心眼というスキルで、そしてその心眼を活かして攻めるのではなく守ることに重点を置いた戦法をとる。
中国拳法で例えるなら“重の八極拳”ではなく“柔の八卦掌”が主体と思ってくれればわかるか?」
「はい、なんとなくですが」
なんとなくだが理解したのか桜咲は頷いていた。
「まぁシロウの場合はそれでわざと隙を作ってそこに敵を誘い込み叩くって戦法だからいつも冷や冷やモノなのよね」
「それはしょうがないだろう? 俺は攻めることに関してはなんでもあり以外なら早々できることではないからな」
「では投影魔術を使えば率先して攻めることもできるのですか?」
「まぁ投影した武器の経験に共感すればな。
例えばかの有名な戦国時代の九州の武将、立花道雪が持っていたといわれる名刀『千鳥』を投影して、経験に共感すれば一個師団に一人で突撃し猛威を奮い『雷神』とも評された立花道雪の動きを担い手には及ばないが再現できる」
「それは!?」
「だが、やはりリスクはあるからそんな無茶はしないけどな」
「そのリスクとは?」
「共感できたとしても担い手の動きに体がついていかなければたちまち自滅してしまうからだ。だから俺は今でも鍛錬はかかさず行って体を鍛えているわけだ」
「なるほど、確かにそれは利点でもあり欠点にもなりますね。ですがそんなに私に情報を与えても平気なんですか?」
「ん? なんでだ。別に桜咲と敵対するわけでもないのだから話しても構わないだろう。
それにもし万が一敵になったと仮定……いや、そんなことは考えないほうがいい。
これから副担任とはいえ実の教え子になる生徒に手を上げると考えると嫌になってくるからな」
「わかった、セツナ? シロウはね、度が過ぎたお人好しなのよ」
横から出てきたイリヤの言葉に俺は乾いた笑みしか浮かべることしかできなかった。
自覚はしてるんだがそれでも性分は変えられないからな。
「ですが、私はその士郎さんの人となりはとてもいい事だと思います」
「そうか? そういってくれるなら俺としても救われるが」
俺としては桜咲の言葉は嬉しかったが、それを聞
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