003話 麻帆良の仙人
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ることはできんのじゃろ?」
「そうですね」
「で、じゃ。これからどうするんじゃ?」
「どうする、とは?」
「戸籍とかのことじゃ。これからこの世界で生きていくにはさすがになにもないのじゃどうしようもないしのぅ」
確かにそうだ。あっちとは勝手が違うからどこになにがあるのかすらわかっていない。
そうなれば海外に行くにもそれなりに密入国も考えなければいけないしな。
働くにもやっぱり戸籍が必要だし、橙子さんや遠坂からもらったものだけじゃ数ヶ月と持たない。
……これはいきなりピンチ到来といったところか?
「ふむふむ、やっぱり悩んでいるようじゃな。それでワシからの提案なんじゃがここ麻帆良学園で教職と一緒に警備員をやってみるのはどうじゃ?」
「は?」
俺はそのことに反応できなかった。
だけどイリヤは考えがすぐついたらしく、
「それじゃ私達の戸籍を偽造していただけるのかしら? コノエモン?」
「確かに、って! イリヤ、学園長を名前で呼び捨てにするのは失礼だろ!?」
「いやかまわんよ。最近は誰もワシのことを名前で呼んでくれんからの。いつでもそう呼んで構わんぞ、イリヤ君」
「ありがとーコノエモン!」
………なんかもう親しげな関係を構築できそうだな。
そういえばイリヤは雷画じーさんの事をライガと呼び捨てにしていたしなぁ。
閑話休題
「それより教員って、自分は教員免許なんて持っていませんよ?」
「うむ、そのことなんじゃが、士郎君は英語は得意かの……?」
「英語ですか? 読み書きは大丈夫ですよ。それにこれでも世界をまわっていましたから大抵の言葉くらいは書きは無理ですが話すことならできますよ」
「ほう、それは心強いの」
「ですがそれならイリヤのほうが適任では? イリヤのほうが経験は豊富ですし」
「イリヤ君には刹那君達が暮らしておる女子寮の寮長をしてもらいたいんじゃ。
それと今、教員棟はいっぱいじゃから士郎君もイリヤ君と同じ部屋で一緒に寮長として暮らしてもらうことになるが、まぁ姉弟じゃから問題はないじゃろ。
士郎君は誠実そうじゃから問題は起こさんじゃろうしな」
「はぁ……?まぁ……」
「それでの、理由は明後日から刹那君のクラスにしょっちゅう海外に出張しているタカミチ君の代わりに一人の魔法使い見習いの先生がやってくるんじゃ。
その子は男の子でまわりが女の子だけじゃ不安じゃろうから士郎君には副担任として私生活の指導や魔法関連の補佐をしてもらいたいんじゃ」
「そうですか、それじゃ心細いですね。女子寮でしかもイリヤと同じ部屋でというのはかなり作為的なもの感じますが、わかりました、引き受けましょう」
「学園長? 私は初耳だったんですが?」
そこにどうやら事情を知らないらしかった桜咲が学園長を問い
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