暁 〜小説投稿サイト〜
その日、全てが始まった
第1章:出会い
第01話 『Crescendo』
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
れぞれの位置へと向かう。
 その際に洸夜は、全員に向かって言った。

「信じてくれて、ありがとう」

 洸夜はそう言って、キーボードの前を退き、ギターを持って祐治と並んだ。

「お待たせしました。それではアンコールにお応えして『ロキ』」

 その言葉に続いて、大樹がカウントを取る。
 そして、ギター2基が演奏へと入っていく。
 イントロが終わると、メインボーカルである洸夜が歌い始め、コーラスパートを祐治が歌った。

 サビでの掛け合いなどを経て、曲は終わりを迎えた。
 演奏が終わると、その日1番の拍手が沸き起こった。
 その拍手をバックに、彼らはステージを後にした。
 楽屋に入った彼らは、今だに興奮冷めやらぬと行った感じであった。

「最高だったな!」
「ああ」
「今までに最高のセッションだったと思うよ」

 雅人、大樹、結弦の順番に口にした。

「だな。これも洸夜のおかげだよ。ありがとう」

 祐治は改めて洸夜へとお礼を言った。

「そんなことないさ。皆んなが頑張ってくれたからだよ。俺1人だけじゃ成功はさせられなかった」

 洸夜は、全員に向かって頭を下げて言った。

「提案に乗ってくれて、ありがとう」
「あの場面、お前の提案がなければ終わってたかもしれないからな」

 大樹がそう言った。
 洸夜は若干微笑むと、荷物をまとめ始めた。

「もう帰るのか?」
「ああ。やることがあるんでね」

 そう言って荷物を持つと、扉に手をかけた。

「俺たちと一緒に、活動を続ける気はない?」

 祐治にそう引き止められた。

「言っただろう、俺はもう音楽はやらないって。コイツばっかりは、お前が相手でも譲れない。悪いな」

 軽く微笑むと、そのまま楽屋を後にした。
 そして、そのまま建物の外に向かおうとした。
 すると、誰かを待つ様にして立つ人影があった。

「……湊」

 それは、友希那であった。
 友希那は洸夜へと問いかけた。

「洸夜君???あなた、何を隠しているの」
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ