暁 〜小説投稿サイト〜
その日、全てが始まった
第1章:出会い
第01話 『Crescendo』
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とかも、ちょっと熱が入って今日みたいなことになるかもしれない。その時は、大目に見て欲しい……」

 それに、と言って洸夜は続ける。

「図々しいのはわかってる。だが、これだけは信じてくれ。俺は、あいつの力になりたい。1人の親友として、あいつのやりたい事を全力で手伝ってやりたいんだ」

 それを聞いた雅人は、そっと口を開いた。

「……わかった。突っかかったりて悪かった……」
「そんなことない。アレは人として当然の感情だよ。明日、宜しくな」

 そう言い残すと、洸夜はスタジオを出て祐治の元へと向かった。
 祐治はと言うと、既に屋外にいた。

「お待たせ」

 洸夜は、そう言って祐治の隣に立った。
 そして、2人並んで歩き出す。
 すると、祐治が突然口を開いた。

「……悪いな、いきなりこんなこと頼んじまって」
「良いよ。お前の頼みなんだから」

 それに、と洸夜は続ける。

「中学からの付き合いだろ? お前の頼みなら引き受けてやるさ」
「そっか……」

 そう言った祐治は、ボソッと洸夜に聞こえない声で「サンキューな」と呟いた。
 そして、十字路に差し掛かったところで、祐治は言った。

「じゃあ、俺はこっちなんで。また明日」
「ああ。また明日。成功させような」
「もちろん」

 互いに軽く笑うと、グータッチを交わし別れた。

「さてと……」

 そう呟くと、洸夜は振り返った。

「……さっきから付けて来てるのバレバレだぞ」

 そういうと、電柱の裏から???日菜が現れた。

「ちぇー。バレちゃったかー」
「何の用だよ」
「お兄ちゃんが歩いてたから、何してるのかなーと思って」

 なんだその理由はと思いつつも、洸夜は表には出さなかった。

「ちょっとな。そういうお前は?」
「私は、友達とね」

 そうか。と言った洸夜は踵を返した。

「帰るぞ。もう日も暮れたわけだし」
「はーい」

 2人は並んで家へと向かっていくのであった???





 ???翌日。
 ライブ会場である『CiRCLE』に集まった『Crescendo』のメンバー達は楽屋にて待機していた。

「お待たせ」

 そう言って楽屋に入ってきたのは洸夜だった。

「何してたんだ?」

 雅人が洸夜へと問いかけた。

「ああ。ちょっと家を抜け出すのに苦労しただけだ」
「そうか。まあ、間に合ったならよかったよ」

 祐治はそう言った。

「そろそろ時間じゃないかな?」

 結弦が全員にそう告げる。

「出番か……」

 大樹がそう呟く。

「洸夜、行けるか?」
「ああ。オッケーだ」

 そう言って、全員は楽屋を後にした。
 
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