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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第01話 『Crescendo』
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なかったけど、どうかしたの?」
「いや、何もないよ。ただ、帰ってきてそのまま寝ちゃったんだよね……」
「そうだったのね。てっきり調子悪いのかと思ってた」
「大丈夫。いつも通りピンピンしてるよ」
「そうかい。朝ごはんできてるから食べちゃいなさい」
「はーい」

 そう言うと彼は、朝食を摂るのであった???





 その日の午後、彼は再び『CiRCLE』を訪ねていた。

「確かここだったはず……」

 そう呟くと、Bスタジオの扉を開いた。

「……あ、来たか」

 そこには、祐治がいた。

「なんだ……いきなり呼び出して」
「悪い悪い。メンバーにお前のことを紹介しておこうかなと思ってな」

 そう言った祐治は、そこに居た他の3人に向かって言った。

「コイツがこの前言った助っ人の氷川洸夜だ」
「氷川洸夜です。宜しく」

 洸夜は名乗ると、お辞儀をした。
 すると、ドラムの前に座っていた、長身でツンツンとした黒髪が特徴の人物が立ち上がった。

「俺はドラム担当の森田大樹(たいき)だ。よろしく頼む」

 そう名乗ると直ぐに座り直した。

「僕はベース担当の本山結弦(ゆづる)。宜しくね、氷川君」

 今度はベースを持った、薄めの金髪の青年が名乗った。

「俺は一条雅人(まさと)だ。見ての通りギター担当だ。宜しくな」

 最後に、ギターを持った赤髪の青年が名乗った。

「3人とも宜しく……」

 と、言い切ったところで洸夜は突然、驚愕の表情を浮かべた。

「……あー! お前、確か中学の時バレーボール部だったよな?」

 洸夜は、雅人にそう尋ねた。

「……そうだけど?」
「確か、『窮地の送球(ピンチサーバー)』とか呼ばれてたよな?」
「な、何故それ……俺の黒歴史を……! 祐治以外にも知ってる奴が……いるなんて……」」
「だって、同じ地区でバレーやってたし」

 雅人の質問に、洸夜は即答した。

「……まあ、それは置いておいて???改めて俺がこのバンド『Crescendo』のリーダーにして、ボーカル兼ギターの鹿島祐治だ」

 祐治はそう名乗った。

「はいはい、存じ上げておりますよ」

 洸夜はそれをサラッと流した。

「シンプルに流すなよ」

 祐治は無駄だろうと思いながらも、一応の反論はした。

「そういえば、氷川君は何が演奏できるの?」

 結弦は洸夜へと問いかけた。

「ギターと……ベース」
「マジか……雅人、お前キーボードできたよな?」

 祐治が雅人へと問いかけた。

「ん、ああ、一応。と言っても、齧った程度だがな」
「……キーボードが欠けてるのか?」

 洸夜は祐治に尋ねた。

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