第1章:出会い
Prelude
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ジオね」
「はい」
そう言って洸夜は、Cスタジオに入っていった。
それに続いてリサと友希那もスタジオに入っていく。
そして扉を閉めると、洸夜は手に持っていたケースを床に置き、開いた。
「……それは?」
「ああ、これか」
リサに尋ねられた洸夜は、それを取り出し2人に見せた。
「ヴァイオリンだよ」
洸夜の手には手入れがしっかりとなされた1台のヴァイオリンが握られていた。
「あなた、ヴァイオリン奏者なの?」
「いや。ただ、昔ちょっと弾いてただけさ」
そう言った洸夜は、近くにあった椅子に腰を掛けると演奏の構えを取った。
「何か、弾いて欲しい曲とかある?」
「そうね……なら、あなたが1番自信のある曲をお願いするわ」
友希那の言葉に頷いた洸夜は、ヴァイオリンを弾き始めた。
その曲は、疾走感があり、到底ヴァイオリンで奏でる曲ではなかった。
「す、凄い……!」
「ええ……!」
2人は、洸夜の圧巻の演奏に飲まれていた。
洸夜はと言うと、演奏に集中するため、目を閉じて演奏していた。
そして、約3分の演奏が終わった。
洸夜は、そっと目を開いた。
「凄かったわ」
「ほんとほんと。引き込まれるような演奏だったよ」
友希那とリサは、洸夜に対してそう言った。
「……そうなのか?」
「ええ。貴方相当な才能があるわね」
「そうなのか?」
「そうだよ。プロの奏者にも負けないぐらいだったよ」
「2人がそう言うなら、そう言うことにしておくよ」
洸夜は、そう言ってヴァイオリンをケースへと戻した。
「さてと……今日の本題に入るか」
「こっちにある楽器を演奏するのね」
「そう言うこと」
そう言って洸夜は、キーボードの前へと立った。
「洸夜って、普段どこ演奏してるの?」
リサは、洸夜にそう尋ねた。
「普段は……演奏やってないんだ」
「え、バンド組んでるわけじゃ無いの?」
洸夜は頷いた。
「うん。今回は、助っ人を頼まれたからね」
それに、と洸夜は続けた。
「俺は、もう……演奏とかはしないって決めてたんだ……」
「……じゃあ、なんで?」
洸夜は笑いながら言った。
「親友から頼まれたから、さ」
「友達思いなんだね」
「まあ、な。数少ない友達だし」
洸夜は、鍵盤に手を置くと流れるように鍵盤を弾いた。
「音階は……把握っと」
そう呟いた彼は、演奏を始めた。
彼が選曲したのは、知らない人はいないのでは無いのかというほど有名な、某ボーカロイドの曲。
「……楽譜を見ないで?」
リサは、洸夜の演奏を見ながら呟いた。
事実、彼は楽譜などを一切見ずに
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