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その日、全てが始まった
第1章:出会い
Prelude
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 祐治の言葉に、洸夜は頭を抱えた。

「なんだよ……その理由……」
「頼むよ〜……こんなこと頼めるのは親友のお前ぐらいなんだって……」

 そう言った祐治は、自身の顔の前でパン、と両手を合わせた。

「この通り!」
「ハァ……わかったよ」

 洸夜は渋々といった感じで了承した。

「……で、そのライブはいつあるんだ?」
「明後日。場所は『CiRCLE』だ」
「CiRCLEね……」

 洸夜は、少し神妙な面持ちになった。
 それに気付いた祐治は、洸夜へと問いかけた。

「どうかしたのか?」
「いや、なんでもない。それと場所の件は了解した」

 そう言ったところで、始業のチャイムが鳴ったため、洸夜は座席へと向かった???





 ???放課後。帰宅した洸夜は、自宅の2階にある自室へと駆け込んだ。
 そして、自室のクローゼットを開いた。
 そこには、赤と白のギターが収められていた。

「……久し振り……だな」

 洸夜はそう呟くと、ギターを取り出した。
 そして、クローゼットの傍にあったギターケースにギターを仕舞うと、カバンと手提げの付いた箱を持ち部屋を出た。
 廊下に出たところで洸夜はとある人物と鉢合わせた。

「……出かけるの?」
「紗夜か……帰ってたんだな」

 洸夜が鉢合わせたのは、彼の同い年の妹である『氷川 紗夜』だった。

「ええ、たった今ね」
「そうか。で、俺の方は今から用事で出てくる。母さんに伝えといてくれ」
「わかったわ」

 そう言った洸夜は、玄関へと向かった。
 そして靴を履こうとした瞬間、玄関の扉が開いた。

「たっだいま〜! って、お兄ちゃん。何してるの?」
「日菜か。お帰り」

 帰宅してきたのは、氷川兄妹の末っ子にして、紗夜の双子の妹である『氷川 日菜』である。

「ただいま、お兄ちゃん!」
「お、おい!」

 突然日菜に抱き着かれた洸夜は、バランスを崩しかけていた。

「危ないだろ日菜!」
「んー。やっぱりお兄ちゃんは落ち着くよ〜」
「どういう意味だよ……」

 日菜の言葉に突っ込みながらも、洸夜は日菜を自身からはがした。

「俺は用事があるから出かけてくる」
「わかった。いってらっしゃい」

 言葉を交わした洸夜は、玄関の扉を開くのであった???





 ???『CiRCLE』へと到着した洸夜は、中へと入った。
 だが、始めてきた場所が故か、洸夜は受付の位置がイマイチ理解できないでいた。
 そこで洸夜は、近くにいた人に尋ねることにした。

「あのーすいません。少しお尋ねしたいことが……」

 洸夜が話しかけたのは、自身と同い年くらいの銀髪ロングの少女と、茶髪の髪
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