第1部
ロマリア〜シャンパーニの塔
なんだかんだで王様終了
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必死でこらえる。
「やったーい!! やっぱりユウリちゃんならわかってくれると思ってたよ♪」
そういうと、その場にいるのも惜しいのか、すぐさま酒場に走り去るシーラ。意気揚々と酒場に向かうバニーガールを見送りつつ、私はユウリの異常行動に疑問を持たずにはいられなかった。
あるいは、今日一日のあいだに、何か心境の変化でもあったのだろうか?
「ど、どうしたの……ユウリ……? ホントになんかあったんじゃ……」
「な? 絶対だれか別の奴がなりすましてんだって!! 明らかにあの時と別人だろ?」
私たちが騒ぎ立てる中、ユウリはつきあってられるか、と言う表情で宿屋へ向かう道へと向き直る。その後姿を見て、私はあることを思い出した。
「そういえばユウリ、私たちがシャンパーニの塔に行っている間、格闘場へ行かなかった?」
確かそれは塔へ向かう前、私たちが酒場の前を通っていたときだった。後姿しか見かけなかったが、あの青いマントと黒髪はユウリ以外の何者でもない。
するとユウリはわずかに体をびくつかせた。どうやらビンゴのようだ。
「もしかしてユウリ、あのときから格闘場に興味があったの?」
私のその言葉に、ユウリは微動だにしない。ただ、耳の後ろに汗が伝い落ちていくのが見えた。
「おい、ひょっとして図星かよ? まさかそこに行きたいが為に王様になったんじゃねーだろうな?」
ナギが追い討ちをかける。ユウリの汗の筋がさらに増えていく。
「そんなわけないだろ! ロマリア王がどうしてもって言うから仕方なく頷いただけだ!!」
明らかに図星を突かれた様子で反論するユウリ。どう見ても言い訳にしか聞こえない。
「お前ら、そもそもシャンパーニの塔に行ったとき、俺の助けがなかったらどうなってたかわかってるのか!? 俺の活躍があったからこそお前らはこうして生きていられるんだからな!!」
私たちをそういう状況にしたのはユウリじゃん……とは口に出しては言わなかった。やっぱりユウリは相変わらずだったようだ。
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