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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第14話:それぞれのお悩み相談
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座らせた場所。
今そこは、零れたコーヒーと潰れたドーナッツの砂糖でドロドロになっていた。翼はいろいろとあってこのことをすっかり忘れていたようだが、颯人はバッチリ覚えていた。
「これを片さなきゃならないんだよなぁ。ま、自業自得か」
〈コネクト、プリーズ〉
観念した颯人は、魔法で自宅から掃除道具を引っ張り出しソファーと床を綺麗にすべく1人寂しく掃除を開始するのだった。
***
一方、響に誘われた奏は一般人に正体がバレて騒がれたりしないようにとしっかり変装した上で彼女に連れられて、ある一軒の店に来ていた。
店の名前は『ふらわー』、響が学友達と贔屓にしているお好み焼き屋である。テレビで有名になるほどの店ではないが知る者からは非常に評判であり、所謂隠れた名店の様な存在となっていた。
店内はまだ少し時間が早いからか、決して広いとは言えない店内には2人しか客が居ない。
「はいお待ちどうさん! 豚玉二つだよ!」
「はぁい! 待ってましたぁ!」
「どうも。ん〜、相変わらず美味そうだ! んじゃ、早速──」
「「いただきます!!」」
出された二つの皿の上に乗った出来立てのお好み焼き。熱々のお好み焼きの上に掛けられたソースと鰹節の香りが食欲を誘う。更には出来立てであるが故にまだ小さく弾ける油の音が、視覚と嗅覚に加えて聴覚の三つの感覚でもって『食え』と訴えてきた。
響は自他共に認めるほどよく食べる方だが、奏もどちらかと言えば食べる方だ。皿が出されたのを見た彼女は、響とほぼ同時に手を合わせると箸で豪快に切り分け、大口を開けて口に放り込んだ。乙女の恥じらいも何もない食べ方だが、隣の響も似たようなものだったので気にする必要はないのかもしれない。
奏は口に広がるお好み焼きの旨味に、堪らず頬を緩ませ歓喜の声を上げた。
「ん〜! 久しぶりに食ったけどやっぱここのお好み焼きは最高だよ!」
「ですよね! もうここ以外のお好み焼きなんて考えられないですよ!」
「んもぅ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの!」
奏は久方ぶりに味わうこの店のお好み焼きの味に、リディアンに通っていた頃の事を思い出しながら舌鼓を打っていた。彼女も学生時代はこの店の常連だったのだ。当然その頃からこの店の女将とは知り合っており、故にこの店は奏が羽を伸ばして食事が出来る数少ない場所であった。
どれほど時間が経っただろうか。既に最初の豚玉は2人の胃の中に消えており、互いに今度は別のお好み焼きを注文したところであった。
女将は次の注文を作るので忙しそうだ。となると、話をするなら今しかない。そう思った奏は、響が突然自分をこの店に誘った理由を問い掛けた。
「んで? 今日はどうしたんだ?」
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