暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生の林檎園
第九幕その六

[8]前話 [2]次話
「そうでしたね」
「よく言われるしね」
「あたしイギリスに行ったことはないですが」
「食べものについてはね」
「期待出来ないんですね」
「僕も日本に来てから美味しいものにこだわる様になったから」
 先生はアップルティ―を飲みつつお話します、その味は確かに美味しいですがやっぱり紅玉を使ったものには負けています。味わいがどうも違うのです。
「これでわかるよね」
「イギリスはそこまでですか」
「お料理はよくないんだ」
「そうですか」
「これでもカレーを日本に伝えたのはイギリスだけれど」
「インドじゃなくて」
「インドからイギリスを経てだよ」
 そうしてというのです。
「日本に伝えてビーフシチューやローストビーフもね」
「イギリスからですね」
「けれどどうもね」
 ことお料理についてはというのです。
「評判が悪いね」
「そうなんですね」
「カレーも日本で食べた方が美味しくて」
 それでというのです。
「ビーフシチューやローストビーフも」
「日本の方がですか」
「美味しいんだよね」
「そんなに駄目ですか」
「勿論お蕎麦もないよ」
 このお料理もというのです。
「アップルティーとかも日本のものの方が美味しいし」
「使ってる林檎が違って」
「あと優花里さんはお料理上手だね」
「そうですか?」
「イギリスは料理を作る人の腕も、みたいだから」
「それで、ですか」
「そのこともあって」
 どうしてもというのです。
「アップルティーとかもね」
「あまり、ですか」
「日本のものと食べると」 
 どうしてもというのです。
「僕が日本の味に馴染んでしまったせいか」
「よくないですか」
「そうなんだよね」
 こう優花里さんにお話します。
「僕としては」
「主観にもよりますよね」
「主観もあるけれど」
 それでもというのです。
「やっぱり日本の食べものの方がずっとね」
「美味しいですか」
「そう言われているしね」
「ああ、世間では」
「実際にね」
 これがというのです。
「僕も思うよ」
「そうですか」
「貴女のアップルティーと林檎料理も」
 そちらもというのです。
「イギリスのよりずっと美味しいよ」
「そんなにですか」
「これもイギリスの作った人によるけれど」
 それでもというのです。
「元々の腕もいいし紅玉を使ってなくても」
「いいですか」
「うん、けれどやっぱりね」
「紅玉は、ですね」
「あれが一番かな」
 先生はまたこう言いました。
「やっぱり」
「そうみたいですね、もううちで植えている林檎は全部使ってみました」
「そうしたんだ」
「はい、それでこのさんフジがです」
 今使ったそれがというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ