スプーン一杯分の幸せ
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サーヴァントに食事は必要ない。しかしカルデアをホームに現界している今、それは娯楽でありながら貴重な要素でもあると思えた。クラス違いの己に”カワイイ忠犬”だの何だのと茶化されようが、マスターからの誘いを断らないのはそういう理由に基づいている。
「今日のおやつは何だろうね」
「さてな」
逃げやしないと以前伝えたのだが、本日も確かと腕を掴んで離さないマスターに引かれるがまま食堂へ足を踏み入れた。用意されたプリンを受け取り、向かい合わせに座してから両手を合わせる。知らぬ間に習慣づいた食前の挨拶を揃って準えた。
「うまいか?」
「もちろん! おいしい!」
――それらしい主張を連ねてはみたが結局のところ、この一時を気に入っているだけだったりする。
にこにこと満面の笑みを浮かべて頬張る様を視界に収め、自分も柔らかく甘いそれをひと掬いした。
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