第12話 変わる運命
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、自由惑星同盟と銀河帝国を結ぶ唯一通行可能な航路であるイゼルローン回廊に帝国軍が築いた巨大な人工天体である。
このイゼルローン要塞がある限り同盟軍は帝国の領域に侵攻できず、帝国軍の一方的な侵攻を許すのみである。
そこで同盟軍は過去4半世紀の間に6度に渡って大規模な攻略作戦を展開したが、その悉くは撃退され、数知れない犠牲を出してイゼルローン回廊を血で塗装してきた。
このイゼルローン要塞の攻略――それが新たに結成される第十三艦隊の司令官としてヤン・ウェンリー少将に与えられた命令である。
――宇宙暦796年/帝国暦487年 4月27日――
自由惑星同盟第十三艦隊はヤン・ウェンリー少将指揮のもと帝国軍イゼルローン要塞の攻略に旅立ち、同年5月13日――イゼルローン回廊へ突入した。
一方、帝国軍も同盟軍の接近に気付いたが、位置が分からず手を打てないでいた。
そこへ、オーディンより派遣されたと言う巡航艦より救援要請が入り、要塞駐留艦隊司令官のハンス・ディートリッヒ・フォン・ゼークト大将は艦隊の出撃を命じた。
その数は、約15000隻と駐留艦隊のほぼ全艦にあたる。
「閣下、前方ティアマト星系第四惑星アンシャルの周回軌道上に敵艦隊らしき反応があります」
「いたか。よし、直ちに向かえ」
駐留艦隊は、反乱軍を殲滅すべくティアマトへと急行した。
それが単なる囮だとは気づかずに。
・・・・・
駐留艦隊が囮に引っ掛かっている頃、イゼルローン要塞のスクリーンに同盟軍に追われる帝国軍のブレーメン級巡航艦が確認された。
「砲撃だ。……待て、各砲塔に状況を徹底させろ。味方に当てるなよ」
「はっ」
イゼルローン要塞の各砲塔から砲撃が開始されると、同盟軍は退却していった。
そして、鹵獲した帝国軍のブレーメン級巡航艦に乗り込みイゼルローン要塞への侵入を果たしたローゼンリッターは帝国軍の士官に化け、要塞司令官のトーマ・フォン・シュトックハウゼン大将を捕虜にすることに成功したが、要塞の制圧はまだであった。
囮に気づいて急ぎ戻ってきたゼークト大将は、同盟軍より送られてきた『イゼルローン要塞は既に占拠した。大人しく降伏すれば良し、さもなくばトールハンマーの破壊力をその身を以って知るであろう』との通信に全艦停止を命じた。
ゼークト艦隊の参謀であるパウル・フォン・オーベルシュタイン大佐は同盟軍の不自然さから、これは虚報と判断し『このまま進むべき』と進言したが、ゼークトは同盟軍の数の少なさから要塞は陥落したのではと判断してこの進言を却下した。
その間に、ローゼンリッターは要塞の制圧を完了させ第十三艦隊はイゼルローン要塞へと入港を始める。
「やつら逃げ込むのか? よし、この気を逃すな。一気に突入し
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