暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その39
[7/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

きっと、初代火影の千手柱間とうちは一族の当時の長だったうちはマダラもそうだったに違いない。
だからこそ、うちはは木の葉創設に力を貸した。
ミコト達の代でその夢が為せなくとも、ミコトの子と、クシナの子が、その夢を継いでくれれば。
甘いと言わざるを得なくても、クシナの仄めかした未来に囚われたのはミコトもで。
そうして、その手助けと種蒔きが出来る環境が整ってしまっているのだ。
こっそり子供達を誘導するくらいしてしまっても、別に構わないだろう。
下らぬ体裁と疑念に囚われて、ミナトにうちはへの助力を切り捨てさせたのは、三代目含む里の上層部なのだから。
内々で、フガクとミナトの間では、クシナの出産時への協力体制について、ミナトとクシナの結婚当初から話がついていたのに。
うちはの全面的な支援の下、クシナは万全の態勢でもって、安全に出産する筈だったのに。
そうして母となり、ミコトと共に、母となった喜びと、子供達の成長を見守る幸せと、子育ての苦労を分かち合う筈だったのに。
なのに、ミナトもクシナも、もう、居ない。
二人の子の中に、災いの源となった九尾を残して、二人とも、死んだ。
里の、上層部の判断で。
その判断を、決してミコトは許さない。
決して。
それでも、クシナの残した子は生かされていた。
人柱力として。
里の管理下で。
だから、せめて、クシナの子が生きてさえいてくれたら。
いつか、もしかしたら、ミコトとクシナの描いた夢が叶うやも、と。
蜘蛛の糸のように、儚いその希望に縋りながら、じりじりと不満と屈辱の日々を過ごし。
そうして、大手を振って、堂々と子供達に干渉できる『今』を手に入れたのだ。
欲が出たとて構うまい。
二人の友人の面影が色濃い二人の遺児も、我が子のように愛しく感じてしまうのだから。
いっそのこと、このまま強引に引き取って、我が子にしてしまいたい。
そうするには、うちはと人柱力では縛りも柵も多すぎるが、二人の面影が色濃いあの子を、娘と呼べたらそれでいい。
身近に置いて過ごすうちに、ミコトはそんな風に思うようになってしまった。
ミコトの家にサスケに連れられて遊びに来た友人の子を、ミコトの家から帰すのが辛くて仕方がない。
何かと理由を付けて、家に引き留め、泊まらせる事が多くなった。
今日も引き留め、同じ屋根の下に休ませている。
サスケと共に、サスケの部屋で眠っている。
それに、一年かけて漸く緊張が抜け、家人の気配があっても、ミコトの家で熟睡してくれるようになったクシナの子が、我が子と並んで無防備な寝顔を見せてくれる幸せを、どうすれば抑えられるというのだろう。
抑える事など、きっと出来ない。
今はまだ、抑えなくてはならないと知ってはいるけれど。
何故ならミコトは、創設期から長年里との軋轢を生じさせ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ