その39
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ミナトに似たようだ。
クシナに良く似た大きな瞳を、ミナトによく似た色で、ミナトそっくりに丸くして。
ミナトそっくりに硬直したまま、クシナに良く似た仕草で、ミコトの鎌かけに素直にこくりと首を縦に振った。
その時、ミコトの胸にどんな思いが湧いたのか、これっぽっちも知りもせずに。
女児を男児と偽らせていたのは、碌に後ろ盾も与えぬまま、里人の憎悪を幼い身に集めさせる事への、三代目からの最低限の庇護の一つでもあったのだろう。
だからと言って、ミコトが里に感じたものが薄れることは決してないけれど。
それから改めて、落ち着いて友の遺児の動きを観察してみれば、やはり、息子達の動きとはかなり違った。
ミコトから見ても、結構強引に振り回しているように見える、ミコトの下の子のサスケに良く懐いて、嬉しそうにサスケのやんちゃに付いて行っているけれど、それよりも、本当は家の中の事に興味があるらしい。
ふと気付くと、細々とした家の中の事を進めているミコトの背中や手元を、じっと見つめている姿をしばしば見かけるようになった。
そんな大人し気な姿に、喜怒哀楽がはっきりしていて、結構なお転婆だったクシナのアカデミー時代の姿より、何事にも能天気でマイペースにおっとりしていたミナトの姿が重なる。
見た目の印象そのものは、うずまき一族の象徴である、燃えるような緋色の髪の色のせいで、ミコトの親友のクシナの物であるというのに。
クシナとミナトの遺した、ミコトの友人達のたった一人の遺児は、記憶の中の友人達との姿とのちぐはぐさが、紛れもなく友人たちの遺した子である証のようで、ミコトには愛しく思えてならなかった。
だからこそ、サスケの友として、大手を振って堂々と。
うちはの集落内のミコトの家に、いつでも招き寄せられるようになった友人達の子を。
ミコトは手離したくないと、自然とそう思うようになった。
このままミコトの手元に引き取れたら、と。
引き取り、我が子と呼べたら、と。
そう思うようにもなった。
そして、そう出来るだけの大義名分と状況が揃いつつある。
もともとうちはは、尾獣に有効な写輪眼を有する強力な血継限界を受け継ぐ忍の一族。
ミナトともクシナとも縁の深いミコトに、あからさまに懐いた『孤児』の保護を、子供の出自と、クシナとの『約束』を盾に、うちはが里に願い出るのは本来容易い事なのだ。
それを留めているのは、ひとえに里の安定と一族と里の確執を慮っているだけの事。
それに、ミコトの出す答えよりも、夫の出す答えの方が、クシナとミナトの出す答えに近く。
ミコトの父に代わり、一族の長となって後を継いだのは、娘のミコトではなく、ミコトの夫のフガクだから。
だから、多少の不満はあれど、ミコトも大人しくフガクの決定に従っている。
けれど、だからこそ、夫も腹を決めれるように種
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