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NARUTO 桃風伝小話集
その39
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ミコト達うちは一族も創設に深い関わりのある忍の里、木の葉隠れ。
その里の里長である四代目火影を継ぎ、ミコトのマンセル仲間であり、親友の夫ともなった兄弟弟子の一人でもあった波風ミナトは、木の葉隠れの里を九尾の襲来から救い、命を落とした。
妻であり、人柱力としてその身に九尾を封印していた、渦潮隠れ出身のうずまきクシナと共に。
クシナとは、クシナもミコトもまだ幼く、共にアカデミーに通っていた頃からの付き合いだ。
その頃から、ミコトは友として、クシナの気持ちを聞いていた。
たった一人、渦潮隠れから木の葉に一人やってきた、うずまき一族の直系の特徴が色濃いクシナの。
表向きは両里の友好の為。
その実は、寿命を迎える初代火影の妻であり、その身を以って、この世に存在する木の葉が所有する最凶の妖魔でもある尾獣の封印の器であり、人の身でありながら尾獣の力を振るう人柱力の次の器として。
謂わば、世界と木の葉の為の人身御供として。
その為に、縁のない木の葉に一人、生涯に渡って身を捧げる事を決定され、木の葉に身柄を移されてやって来た、他里の生まれのうずまきクシナの友として。
クシナが木の葉に来るに当たって、尾獣をも制する血継限界である写輪眼を有するうちは一族の長の家の跡継ぎ娘として育ったミコトには、次期人柱力となることが確実であるうずまき一族のクシナと同じ年であることを理由に、一族から木の葉の為の『任』が与えられていた。
同じ女。
同じ年。
そして、尾獣と写輪眼。
故に、クシナの『友』となり、『人柱力』の精神的な管理と動向の監視という任を、里には内密に、うちは一族の長である父から与えられた。
全てはうちはと『木の葉』の為。
クシナの友となるのは簡単だった。
気性が激しく負けず嫌いで、裏も表もない真っすぐなクシナは、ミコトにとって、好ましい人柄だった。
一族に与えられた任務を超えて、生涯の友とミコトが心に決めたほどに。
それほどまでに、クシナの友となるのは容易かった。
うちは故に、人柱力として強大な尾獣の力を恐れて心を張り詰めさせるクシナに、クシナに何かあろうと、うちはが木の葉にある限り、クシナの恐れる最悪は必ず防がれる、と。
折を見ては囁き、うちはを警戒する里に気付かれぬように、さり気なくクシナと『約束』するのは簡単だったし、運良く三代目火影の直弟子の三忍の一人に数えられる自来也に、クシナの想い人のミナトと共々師事を受ける事になったのも幸運だった。
自来也自身とは、彼自身が幻術の適性が低いせいも相まって、どこか余所余所しい師弟関係とはなってしまったが、それでもミコトにとって、クシナとの繋がりを思えば上々の結果だった。
何より、色恋沙汰に酷く疎くてとことん鈍いミナトの意識改革をしたり。
ミナトの情報をクシナに売ったり。
ミナトに気がある
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