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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第11話:今はまだ早すぎる
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それが生きているという事は、科学的に見てあり得ない。それをあり得る事にしているのが、魔法と言う事なのだろう。そしてその原動力が魔力。
あり得ないことをあり得る事にする。即ち、シンフォギアでないにもかかわらず
位相差障壁による物理攻撃の無効化を無視
(
あり得ない事をあり得る事に
)
する事が出来たのだ。
〈ビッグ、プリーズ〉
「ま、こんな感じに」
「…………そうか、だからあの時ノイズに攻撃されても生きてたんだな」
奏が思い出すのは5年前の事。
あの時はいろいろあり過ぎてノイズの攻撃を受けた颯人が何故生きていたのかを深く考える余裕がなかったが、今にして思えばあれもあり得ないことだ。そういうあり得ないことを逆転させる性質を持ったのが魔力というものなのだろう。
奏は漠然とそう理解した。
「な〜るほどねん」
「すまん、了子君。もっと噛み砕いて説明することはできないか?」
「ん〜と、つまりね────」
その一方で、巨大化の魔法を使って元の大きさに戻る颯人を見ながら了子は魔法がノイズに有効な理由を理解し、今一理解が及んでいない様子の弦十郎に説明していく。
その傍らで、颯人は成り行きで先程は奏達と一緒に連れまわした響が、2年前にライブ会場で起こったノイズの襲撃事件でウィズに助けさせた少女だったことを思い出していた。
「そう言えば君、響ちゃんて言ったっけ?」
「えっ!? あ、はい」
「その様子だと2年前のライブで会ってた事は覚えてないっぽいね。まぁ無事で良かったよ」
「へ?」
あの時、既に響は辛うじて意識を保っていた状態だったので颯人やウィズの事までは覚えていなかったのだ。
記憶にはないが、2年前の事件で彼にも助けてもらっていたらしいことを何となく察した響は、颯人の言葉に申し訳なさそうに頭を下げた。
「あの、すみませんよく覚えてなくて」
「いやいや、あの状況じゃしょうがないよ。それに直接助けたのは俺じゃなくてウィズだし、気にしなくても大丈夫大丈夫」
奏と翼だけでなく自分も意外なところで接点が合った事を知り、その事を覚えていなかったことを素直に謝罪する響とそれを特に気にせず朗らかに接する颯人。
だが2年前の事が話題に上がったことで、奏は当時彼に掛けられた魔法の事を思い出しそれを解くよう彼に詰め寄った。
「そうだ颯人ッ! 2年前あたしに掛けた魔法、いい加減解けッ!?」
「うん、だから嫌だって」
「何でッ!?」
「当たり前だろうが。無茶させるとやばい奴から無茶させない為の理由を取っ払う馬鹿がどこに居る?」
この魔法は謂わば奏に対する枷だ。これがある限り彼女は絶対絶唱は使わないし、絶唱でなくとも無茶はしない。それが分かっているからこそ颯人はボン
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