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純文学と高校生
第五章

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「吉原とか出たら」
「思うんだね」
「行きたいとかね」
「京都でもだね」
「料亭とかよく出るけれど」
 志士達の会合の場面が常にそこだからだ、実際に幕末の志士達はそうしたところで会合を開いたのだ。
「そこでの芸者さんとか」
「侍らして」
「床でとかね」
「思うんだ」
「龍馬さんも遊んでいたらしいし」
「ああ、あの人も」
「高杉晋作さんもね」
 坂本龍馬と並ぶ幕末の有名人であるこの人物もというのだ。
「伊藤博文さんは凄かったらしいし」
「あの人は有名だね」
「どの人達も司馬遼太郎の作品に出ているけれど」
 やはり日本の歴史ものはこの人物だろうか。
「伊藤さんはね」
「特に凄くて」
「贅沢じゃなかったから酒池肉林じゃなかったらしいけれど」
 それでもというのだ。
「女好きだったっていうから」
「相手は無名の芸者さんばかりだったらしいね」
「あの人みたいにね」
 まさにというのだ。
「そうも思うよ」
「とにかく色々な本読んで」
「それでね」
 まさに常にというのだ。
「思うよ」
「歴史ものでも」
「三国志でも貂蝉とかね」
「あの作品女性少ないけれどね」
「西遊記だと」 
 この作品ではというと。
「三蔵法師は」
「あれ日本のドラマだけでね」
「夏目雅子さんだね」
「実際は違うじゃない」
「それでも思うよ、若草物語だと美人姉妹四人一度に」
「それも凄いね」
「そうも思ったりするし」
 この作品を読んでもというのだ。
「お母さんもと、とか」
「思うんだ」
「中学生の時に読んで」
 まさに思春期のはじまりの時である。
「ついついね」
「思ったんだね」
「何かもうどんな本を読んでも」
「女の子、女の人のことを思って」
「止まらないよ」
「重症かなと思ったけれど」 
 ここでだ、佐藤は井上に言った。
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