第二章
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「私もね」
「そうなんだ」
「ただね」
「女装自体はだね」
「もっとしてみたらいいじゃない。二人だけの秘密で」
「二人だけって」
「どうせ付き合ってるし」
千夏は笑ってこうも話した。
「いいじゃない」
「付き合ってることは事実だけれどキスもまだだし」
「まあそこはね」
千夏はここでは苦笑いになった、実は二人共奥手で付き合って暫く経つがようやくデートをして手をつないだところだ。
「ちょっと。お互いにね」
「まだっていうんだ」
「そうしない?けれどね」
「女装はだね」
「そう、私も男装するから」
それでというのだ。
「おあいこだし」
「おあいこかな」
「そうじゃない、だからいいでしょ」
「そんなに女装好きなんだ」
「だって勇気みたいに可愛い娘いないから」
それでというのだ。
「だからよ」
「そう言うんだ」
「そう、それでね」
「女装だね」
「してみたら?魔法少女とかにもなって」
「魔法少女も色々だよ」
「日曜の朝にやるみたいな」
具体的な例をだ、千夏は話に出した。
「そうしたね」
「コスプレもなんだ」
「してみたらいいし」
「何かお話がどんどん勝手に進んでいってない?」
「そうかな」
「そうだよ、付き合った時は普通だったのに」
「だってね、勇気ってよく見たら」
彼のその中性的な顔をだ。
「下手な女の子よりもね」
「可愛いんだね」
「そう言われない?」
「女顔って子供の時言われたよ」
勇気は眉を少し顰めさせて答えた。
「実際にね」
「ああ、やっぱりね」
「その時嫌だったよ」
「嫌じゃないでしょ、可愛いわよ」
「女の子としてだよね」
「女形もいける位にね」
歌舞伎のそれもというのだ。
「いけてるわよ」
「今度はそう言うんだ」
「実際にそうだし、それで今度お店に行きましょう」
「本当に強引だね」
「それでもよ」
千夏は今度は居直った、そうしてだった。
バイトで稼いだ金を使ってだった、勇気の服を買い。
自分の服も買った、そうしてから勇気に言った。
「今から私のお家に行ってね」
「服着るんだ」
「そうするのよ」
「今回も強引だけれど」
「いいじゃない、勇気のルックスなら」
その可愛いそれならというのだ。
「いけてるから」
「それで千夏もなんだ」
「そう、男の子の服を着て」
そうしてというのだ。
「男装してね」
「僕は女装して」
「写真とか撮って」
「どうするの?」
「決まってるじゃない、インスタとかに流すのよ」
「それ絶対に嫌だから」
勇気ははしゃいで言う千夏に冷静な目で答えた。
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