SAO編−白百合の刃−
SAO24-雪の温度
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
スナはリズベットの近くに寄ったのを確認。黒椿に手をかけ、居合いの構えをする。
「これが十度目のカタナだよ!」
リズベットは願いを込めて、私の頭上に白刀を投げ放った。そして躊躇うこともなく落下地点を確認して……。
一閃。
私は居合いで白刀を斬り払う。カタナとカタナが衝突し、甲高い衝撃音が響き震わせる。そして衝撃が反動して、白刀は地面へと突き刺さった。
…………。
黒椿は問題ない。
『ブリザード・インゴット』で作り上げた白刀は折れてしまっているだろうか?
「…………折れてないわね」
私の黒椿も、リズベットが十度目に作った『ブリザード・インゴット』の白刀も折れていなかった。
「や……やった、やったよ! アスナ! ドウセツ!」
「リズ、おめでとう!!」
リズベットとアスナはお互いに両手を繋ぎ、喜びを分かち合うように一緒に飛び跳ねてはしゃいでいた。とくにリズベットは失敗を重ねているせいもあるから、その分の喜びが多かった気がした。
そんな二人を置いて、私は床に刺さった白刀に手を当てた。
「道雪」
それが『ブリザード・インゴット』で作られた、黒椿に斬られなかったカタナの個有名『道雪』
「……もっと別の名前とかなかったのかしらね」
名前なんて個としての明確を表す一つものだから、別に名前がどうこでたいしたことない、が……こればかりは少しどうかと思う。幸い、読み方は訓読みだから被ってはいないけど、音読みになったら私のHNと一緒。そんな物を彼女にプレゼントするとか、なんか恋人ごっこしているようでゾッとした。
でも『道雪』は『黒椿』に認められた。それだけでいいはずなんだ。別に好意的に受け入れてほしいとは思っていないから、気持ち悪いって捨てられても私の知ったことではない。
「バカみたいにはしゃいでいるけど、鞘が欲しいわ」
「へ、あ、あぁ……見繕ね。ちょっと待っていてね」
リズベットはウインドウを表示させるような動作をしていた。そして道雪の鞘をオブジェクト化。
「これでいい?」
「いいわよ」
リズベットからリズベット工具店のロゴが入った純白の鞘を受け取り、ウインドウを開いて格納した。
するとアスナは訝しめな表情で見つめていた。と言うより、視線は私ではなくて『黒椿』の妖刀を見ていた。
「あのね……ドウセツ。気になることがあるんだけど……」
「なにかしら?」
「ドウセツって……なんで急に新しいカタナが必要になったの? 予備のカタナだって、ないわけじゃないでしょ?」
面倒くさい質問が飛んできた。適当に答えても納得する気はなさそうね。
「……借りを返すため」
「借り?」
「言っておくけど、貴女達じゃないわよ。寧ろ貴女達が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ