第四章
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「一体何かな」
「そ、それは」
「それは?」
「それはその」
一誠はその顔を真っ赤にさせた、そうして言葉を詰まらせ何をどう言えばいいのか困り果てた。そんな彼に対して。
美樹はさらにだった、彼にこんなことを言った。
「言えないなら私が言おうか」
「北条さんがって」
「三宅が何を言うのか」
そのことをというのだ。
「言おうか?」
「女の子がそんなこと言ったら駄目だよ」
一誠は声を少し荒くさせて美樹に言った。
「絶対に」
「そうなの」
「そうだよ、絶対に駄目だよ」
美樹に強い声で言うのだった。
「それこそ」
「じゃあ言ったら駄目なのね」
「そうだよ、本当に」
「そうなのね」
「けれど俺も言わないから」
一誠はこのままで美樹に言われっぱなしだと見てこうも言った。
「そのことは」
「言わないの」
「北条さんも言ったら駄目だし」
それでというのだ。
「俺もだよ」
「そうなのね」
「そうだよ、それでね」
「それで?」
「北条さん本当に俺部屋に入れるんだ」
「三宅がいいならね。それで私も入っていいよね」
美樹は話を戻してきた、そのうえで一誠にまた尋ねた。
「断る理由あったら別だけれど」
「いや、ないから」
そうした本とか最近部屋に貼ってあるアイドルのポスター等は若し美樹は部屋に入ろうとしてくればすぐにしまうことにしようと内心決意した、それから美樹に答えた。
「俺には」
「じゃあいいわよね」
「それはその」
「今度穂香ちゃんのお部屋に遊びに行くからひょっとしたら」
「俺のお部屋にもなんだ」
「行くからね、それで三宅も」
「登志夫さんのお部屋に遊びに行ったら」
その時はとだ、一誠は言った。
「北条さんのお部屋にも」
「私はいいから」
「そうなんだ」
「そう、そうしてね」
「本当にいいんだ」
「私がいいって言ってるし。お父さんとお母さんにもちゃんと言うから
「じゃあ俺も親に」
自分の両親にとだ、一誠はあらためて述べた。
「そうしておくね」
「お願いね」
美樹がこう言ったところでだった。
二人のそれぞれの家が見えてきた、ここで美樹はまた一誠に言った。
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