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ドリトル先生の林檎園
第八幕その一
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               第八幕  林檎園に来て 
 先生達はこの日は飯田市の林檎園に動物の皆そしてトミーや王子達と一緒にお邪魔しました。するとです。
 すぐに温和そうな顔立ちの六十過ぎ位の男の人が先生達を迎えました、その人は下坂さんという人で上下つなぎの作業服を着ています。 
 その人がです、先生達と挨拶を交えてからです、そのうえであらためてお話をしてくれました。
「この農園では林檎を中心に作っていまして」
「それで、ですか」
「はい、そして林檎からです」
 主に作っているこの果物からというのです。
「ティーやお菓子、それにシードルもです」
「造られていますね」
「そうしています」 
 先生に笑顔でお話してくれます、見れば上下つなぎの薄茶色の作業服がとても似合っています。背が高くて引き締まった体格をしています。
「それで昨日ですね」
「はい、そちらのシードルをいただきまして」
 それでとです、先生もお話します。
「そしてです」
「今日は、ですね」
「シードルのことなどをです」
「お聞きしたくて」
「はい」
 そしてというのです。
「この農園自体のことも」
「お聞きにですか」
「そうしたいと思いまして」
 それでというのです。
「お邪魔しました」
「そうですか」
「はい、あのシードルもとても美味しかったですし」
「あのシードルはうちの自信作なんです」
 下坂さんは先生に笑顔でお話してくれました。
「勿論他のものもですが」
「アップルティーもお菓子もですね」
「ジャムも」
 そうしたものもというのです。
「全部ですが」
「その中で、ですね」
「やはりシードルですね」
 こちらがというのです。
「一番自信があります」
「左様ですか」
「はい、ただ」
「ただ、とは」
「いえ、こうしたものを作る林檎は」
 下坂さんは先生にあらためてお話しました、皆を林檎園の中を案内してくれながら。広い林檎園の中で作業服を着た人達が働いています。そして林檎以外のものが栽培されている畑もあります。そこでも働いている人達がいます。
「限られていて」
「紅玉ですね」
「あれが一番です、逆に言えば」
「紅玉は、ですね」
「そのまま食べるには」 
 これにはというのです。
「どうにもです」
「酸味が強くてですね」
「はい、日本人が食べるには」 
 どうにもというのです。
「今一つです」
「適していないですね」
「そうです、それでうちの農園でも」
「アップルティーやアップルパイには」
 こうしたものにはというのです。
「紅玉を使っています、ただ」
「ただ?」
「今実は困ったことがありまして」
「と、いいますと」
「孫娘の一人が」
「お孫さんがですか」
「今林檎のこ
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