その34
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今までサスケは、様々な事情を鑑みて、敢えてそこから目を逸らして来ていたけれど。
でも、もう、ナルトを失う訳にはいかない自分を認めてしまった。
ならば、サスケも、ナルトをどう扱って、どう思うべきなの か、自分の中の答えを出さなくてはいけない。
柄にもなく、照れ臭くもあるけれど。
ナルトが自分をそう見ているのならぱ、サスケもナルトの見方を変えるべきなのだろうか。
ナルトは、本当は、異性なのだし。
そう逡巡していた時、ナルトが更に言葉を繋げてきた。
「ヒナタよりも好きかもしれない」
落ち着かない気持ちでどんな態度を取れば良いのか迷っていたサスケは、耳を打ったヒナタの名に、一抹の不安を覚えた。
「きっとね、ミコトさんと同じくらいサスケの事が好きだよ!」
そして、最終的に自分の母と同じ所に並べられたナルトの自分への好意に、足元が崩れるような落胆をサスケは感じた。
それと同時に、じわじわとサスケの胸に、今すぐサスケの答えを出さなくても良い猶予に対する安堵が広がっていく。
まだ、サスケはナルトとの関係を、何も変えなくて良い。
いつの間にか入っていた肩の力を、サスケは抜いた。
「この、ウスラトンカチ」
思わず漏れたナルトに対するバトルの言葉には、ナルトの際どい言動に振り回された憤懣によって、大量の呆れが込められていたけれど。
「そういう事を大声で言うな!ガキじゃあるまいし」
何より、サスケの心臓が持ちそうにない。
恥ずかしくて、堪えられなくなる。
衝動的に、何かしたいような気にさせられる。
そんな自分が堪えられない。
頼むから、控えてくれ。
そんな切実な気持ちを込めてナルトに忠告した時、サスケはふと、ナルトの境遇と育ちを思い出した。
ナルトには家族はおらず、人との繋がりも酷く欠けていた筈だ。
ナルトの行動が幼いのも、仕方ない事なのかもしれない。
これまでサスケは、敢えてそこからも目を逸らしていて、ナルトの忍としての、上手く周囲に溶け込む技術になるべく誤魔化されて来てやっていたけれど。
思い付いた事を確める為に、サスケはじっとナルトを観察しだした。
まるでサスケの推測を裏付けるかのように、ナルトはサスケに向かって頬を膨らませて口を尖らせる。
「どうして?サスケも僕の事嫌いなの?サスケも僕がサスケの事を好きなのは迷惑?僕は好きなものを好きって言っちゃダメって、サスケも言うの?」
子供っぽくサスケに駄々を捏ねるナルトの態度に、サスケはナルトからの自分に対する甘えを見付けて、直視出来なくなって視線を逸らした。
思えば、ナルトは、自分の些細な好意すら、誰かに碌に伝えられないような環境に居たのだ。
そういう場所だったのだ。
サスケとナルトの暮らす、木の葉の里は。
そうして、ナルトの抱える里への鬱屈を、サスケは今初め
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