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ソードアート・オンライン クリスマス・ウェイ
攻略準備(4)
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いからだ。

「信じてるぜ……アスナ……」

 だからボス部屋に踏み込む時に見せたアスナの表情に、俺はほんのすこし安心した。
 だからもう一押し。
 なにかきっかけがあれば、アスナはあの影から解放される気がする。
 残念ながらそのきっかけは昔のSAO時代のアスナを知る、俺たちでは与えることができない。≪閃光≫アスナの強さを知っている人間じゃ、おそらく駄目なのだ。
 いまのアスナを知って、受け止めてくれる誰かが――


「――お兄さん。はやくしないと扉がしまっちゃいますよー」


「え、あ、すみません」

 前方からかかった声に物思いを中断する。

「あれ?」

 反射的に返事をしてしまったが、聞き覚えのない声だった。
 ぞろぞろと扉の中に消えていくアバターのなかに、声の主がいるのは間違いないが結局探し出せなかった。
 不思議な響きの声だった。胸にすとんと落ちるような透明な声。妖精の声なんてものがあるなら、きっと今のような声だろう。

「パパ! 本当に急がないと扉がしまっちゃいます!」
「おっと」

 俺は肩に手を伸ばして愛剣の存在を確認しながら扉に駆けだした。
 
「ユイもしも、アスナが――ママがさ。やりたいことを見つけたら全力で協力しようぜ。だからそのときはユイも力を貸してくれよ」
「も、もちろんです! ママのためなら何だってしちゃいます! だからまず――ここのボスをさくっとやっつけちゃいましょう!」
「お、おう!」

 ……そのちょっと好戦的なところは、似て欲しくなかったなー。
 なんて思いつつ、ユイの言うことは正しい。まずは「ホーム」のためにボスを倒そう。
 俺は半分閉じかかっていた扉に滑りこんだ。

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