暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百三十五話 趨勢は決したがその三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「そのまま数を頼りにしてな」
「さらにだね」
「攻めてな」
 その様にして、というのだ。
「倒していく」
「そうして敵の数も減らして」
「戦の趨勢を決めてだ」
 九州のそれをというのだ。
「そしてな」
「それからはね」
「敵は退くが」
「あえて深追いはしない」
「そのことは念頭に置いている、今は時ではない」
 長槍が前に突き出された、それだけで見事な槍衾が出来る。それが敵軍を突き刺し動くが完全に止まった。
 そこに英雄はさらに銃撃や術による攻撃そして弓矢も放たたせた。そうして動きを止めた敵をさらに攻め。
 また槍を突き出させた、すると敵軍はその分さらに攻撃を受けた。
 英雄はそこからさらも鉄砲や術、弓矢で攻めさせる。そうしつつまだ戦おうとしている敵軍を見て言った。
「まだ崩れないな」
「いや、凄いわ」
 耕平もその状況を見て感嘆の言葉を漏らした。
「この状況でもってのはな」
「やはり九州の兵は強い」
「特に今の連中はな」
 その敵兵はというのだ。
「薩摩隼人や」
「この世界でも強いな」
「退くことを知らんと言われて」
「果敢に攻めてくるな」
「文字通りチェストーーーーーッて感じでな」
 耕平は薩摩の掛け声も出して話した。
「そんな感じでな」
「来るな」
「どうも今の攻めは」
「刀を抜いて来ていたが」
「示現流で来るつもりやったな」
「薩摩の流派か」
「あの流派はやっぱりちゃう」
 示現流、これはというのだ。
「一切止まらず全速力で突っ込んで来て」
「刀を抜いてな」
「それで袈裟斬りか真っ二つや」
 袈裟斬りには右か左で二種類ある、示現流の攻めはこの三つだ。
「そうしてもう一気にや」
「叩き切ってくるな」
「そうしてな」
「一気に攻めるつもりか」
「それで来るつもりやったが」 
 敵としてはというのだ。
「槍で防いだな」
「さもないとな」
「一気に切り込まれていたな」
「こっちは兵の強さはそんなにやない」
 耕平はこのことも指摘した。
「近畿や山陽や四国の兵はな」
「土佐等は強いがな」
「おおむねな」
「大したことはない」
「むしろ弱兵や」
「そう言っていい、俺は兵の強弱は然程気にしていなかったが」
 これまではそうだったというのだ。
「装備と数さえあればな」
「戦えるっていうんやな」
「そう思っていてだ」
 それでというのだ。
「九州の兵の強さもな」
「あまり考えてなかったな」
「そうだったが」
 それがと言うのだった。
「今はな」
「考えるな」
「実際にな、しかし」
「勝つな」
「どんな強い流派も斬られないとだ」
「意味ないな」
「そうだ、近寄せないことだ」
「そやからやな」
「槍を出す、それでだ」
「突
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ