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おっちょこちょいのかよちゃん
28 戦災孤児の苦悩
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 総理には訳の分からない事であった。
「今、日本各地にて空襲で親を失い、途方に暮れる戦災孤児が沢山いる。GHQらと協力して彼らを救済せよ」
「な、何を言って・・・!?」
「戦災孤児の子供達の安全な住み場所を提供してくれと言う事だ。無理だというのかね?」
「わ、わかった、やってみよう・・・」
「よかろう。では私は次にGHQに頼みに行く」
 ジュージは消えた。
(戦災孤児・・・、か)

 GHQの本部にも十次は現れた。
「貴方方」
「な、何だ、貴様は!?急に現れて!!」
「私は異世界から来た者だ。今戦争によって親を亡くした多くの子供達が苦しんでいる。彼らを救済する為の措置をとりたまえ。それでは」
 十次は消えた。
「子供達の救済か・・・」
「元帥、どうしますか?」
「まあ、あの男の言う事に間違いがなければ調査してみよう」

 これによってGHQと日本政府は戦災孤児の救済に動き出した。身寄りのない子供達の為に親類および引き取り手を探した。

 数日後、まき子と奈美子はこの日も食料調達の為に動いていた。この日も米や肉の缶詰を市場から仕入れ(もちろん奈美子の護符の力で出した金で払った)、各々の家へ帰った。ところが途中警官とばったり会ってしまった。
「おい、お前ら!!」
「しまった・・・」
「まき子ちゃん、杖!」
「あ、うん!」
 まき子は周辺に落ちてある石に杖を向けた。石を巨大化して警官に転がす。警官はボウリングのピンのように弾かれた。
「よし、逃げよう!」
「うん!!」
 二人は警官に追いつかれないように全力疾走した。
「はあ、はあ・・・。もう追ってこないかな?」
「うん、巻いたみたいだよ」
 その時、二人はある子供たちが多くの大人に連れて行かれる光景が見えた。
「あれ、あの子達、親を亡くした子達だよね?」
「うん、どこかに連れて行かれちゃうのかな?」
 その時、いつの日か市場でかっぱらいをしていた少女が見えた。
「あんた達・・・」
 その少女もまき子達に気付いた。
「え?どうしたの?」
「実はウチの親戚が生き延びてて、引き取ってくれる事になったんだ」
「そっか、よかったね、安心したよ」
「うん、じゃあね」
 その少女は親戚の所へ戻った。
「あの子達、よかったね・・・」
「うん・・・」
「ああ、政府とGHQが協力してくれたのだ」
 二人は振り向くと、そこには十次がいた。
「今、身寄りのない子供達を親戚や引き取り手などを募っており、浮浪児となる事を防いでくれているのだ」
「十次さん、やっぱりやってくれたんですね!ありがとうございます」
「ああ、君らの願いが届き、私もホッとしている。それでは」
 十次は姿を消した。
「奈美子ちゃん、その護符の力、本物だったね」

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