暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯のラストリゾート
パラサイトGX
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。これでハッサムもどく状態やね」
「だったらウツロイドを倒してしまえばいい! 『バレットパンチ』!!」
「戻りウツロイド。そんでベトベトンに交代や」

 先制技の速度もポケモンを戻して交代するのは止められない。ハッサムの拳をぐちゃり、と鈍い音を立てて受け止めたのは全身がヘドロのベトベトンだった。わたしがアローラで見るそれよりも濃紫色だった。

【引き続き大爆発に警戒が必要な相手ですね。アローラのそれとは違い、タイプは毒単体です】
 
「そんでもって『とける』」
「……だったら、『剣の舞!』」

 ベトベトンの体がゴミだらけのフィールドに溶けていく。防御力を大きく上げる技に対してわたしは攻撃力を大きく上げる技を出した。
 羽を広げて舞うハッサムの表情が苦しそうだった。鋼タイプのハッサムは滅多にどく状態にならない。慣れない痛みは普通のダメージ以上に辛いはず。早く治してあげたいけど……焦って迂闊なことはできない。

「『メタルクロー』!」
「『ベノムトラップ』や」

 ハサミを開き、鋭利な刃がベトベトンを切り裂く。そのハサミや羽根にべっとりとゴミやヘドロがへばりついた。相手がどく状態じゃないと使えない代わりに攻撃、特攻、素早さを下げる技だ。

「守りを固めて時間を稼ぐなんてさせない……メタルクローの追加効果で、攻撃力を上げる!」 
「へえ、これも読んではった? まあどく技を中心に使うと知っとったら当然なんかな。物知りやわあ」
「当たり前でしょ。わたしは……怪盗だから、どんな状況だって切り抜けられなきゃいけない!」
「そ。なんか似てるわあ、昔のサフィールと……」

 煙管からゆっくり煙を吐くルビア。気になる言葉だけど、今は気にしていられない。後で本人に聞けばいい!

「メガシンカで決める!」

 ハッサムの体が輝き、体を纏う鋼が大きくより鋭くなる。ゴミに汚れていても、その鋼の強さは切れ味を落としてない。

「『アイアンヘッド』!」
「あらまあ、ならせめて……『置き土産』だけでも受け取ってもらおか」
「構わない、このまま決めて!」

 ベトベトンの体が大きく膨らんで、ハッサムの体をむしろ包み込むように迎え入れた。鋼の突進はベトベトンのヘドロを打ち砕くように吹き飛ばす。ハッサムの体ももはや毒タイプになってしまったみたいに濃紫になってしまった。『置き土産』の効果で能力を大きく下げられたんだ。
 
「あっという間に残り一体。困ったなあ」
「……早くウツロイドを出して!」
「はいはい、そう急かさんといてな……まだまだ先は長いんやからね」

 ハッサムは今も毒に苦しんでいる。わたしだって腕が痛いのも正直なところだ。虚ろな光とともにウツロイドが出てきて、ルカリオと同じようにハッサムの目が眩んでしまうの
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