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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第5話:黄金の時間
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凝視していた。
だが本当に彼女の思考が停止するのは、その相手から言葉を掛けられてからだった。
「こぉんの、バ奏ッ!? 何やってんだお前はッ!?」
「──────えっ?」
バ奏…………彼女の事をその様に呼ぶ者は、後にも先にもただ1人。
そして、その言葉を投げかけた相手をよく見れば、そこにはとても懐かしい顔立ちをした青年の姿があった。
それを目にした直後、絶唱が発動し凄まじいエネルギーが周囲のノイズを軒並み一掃した。
後には瓦礫の山と奏、青年、翼、そして未だ負傷したままの少女の4人だけがその場にあった。
「奏ッ!?」
ノイズが一掃されたことで、邪魔する者が居なくなり全速力で奏の傍にとやってくる翼。
己の安否を気遣ってくる相棒の言葉に、しかし彼女は答えることなく青年──颯人を凝視していた。その顔には歓喜を始めとした様々な感情が混ざり合い、何とも言えぬ表情になっていた。
言いたい事、聞きたい事が一斉に頭に浮かび、言葉が渋滞を起こして逆に何の言葉も出なくなる。ただ何かを言おうとして半開きにした口が、興奮と緊張でカラカラに乾いていた。
それでも、何とか口を動かし彼に声を掛けようとする奏。だがそれよりも先に、颯人が口や目から大量の血を噴き出す方が早かった。
「ぐあっ、がっはぁッ?!」
「は、颯人ッ!?」
「ぐぅ………………あ〜、なるほど。こりゃ、確かにヤバいな。こっち流して……正解だったわ」
顔中から血を噴き出し、その場に蹲る颯人を支える奏。
最初彼女は彼の身に何が起こったのか分からなかったが、絶唱を歌いきる瞬間に彼が行った事を思い出し右手の中指に嵌められた指輪に目を向ける。
「まさか、これ──!? おい颯人、答えろッ!? もしかして、これはッ!?」
「あっはっはっ、流石のバ奏でも気付いたか? あぁそうさ。シンフォギアってのを扱う上でお前が受ける筈だった反動のダメージ、全部こっちに移させてもらったよ」
そう言って彼が上げた右手には、奏が着けている物と全く同じデザインの指輪があった。
それを見た瞬間、奏は必死の形相で颯人に掴み掛った。
「お前、なんて馬鹿な事してんだッ!? こんな事して、もし死んだりしたら──」
「カッ! お前他人の事言えんのかバ奏ッ!? 俺との約束破って勝手に死のうとしやがってッ!? まさかお前、あの葬式の日に自分で言った事を忘れたんじゃねえだろうなッ!?」
「そ、それ、は…………あっ! とにかく、こんな物ッ!?」
颯人の発言に一瞬言葉を詰まらせる奏だったが、直ぐに何かを思い出したかのように指輪を外そうとする。これがある限り、自分がシンフォギアを扱う際の負担は全て颯人に流れていってしまう。
それを
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