黄金の大鐘楼
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雷迎から迸る雷が大地の表面を線のように削り、破壊していく。
アキトは雷迎に向けて斥力の力を全力で叩き付け、押し返そうと奮闘する。
それでも依然として力が足りず、雷迎を押し返すには至らない。
アキトは既に無意識に自らに課していたリミッターを解放し、周囲への被害を一切考慮することなく斥力の力の全てを放出していた。
その身に宿す潜在能力を全て解放し、潜在能力以上の覇気の力を雷迎へと叩き付ける。
斥力の威力も通常の数十倍にまで膨れ上がり、雷迎を徐々に押し戻すも、再び押し返される。
まだ足りない。
リミッターと潜在能力の全てを解放しても雷迎を跳ね返すことは叶わない。
解放した力に耐え切れずアキトの身体の内部が破壊され、身体の至る箇所から流血していく。
アキトは崩壊していく自身の体を気にすることなく、力を放出し続ける。
死力を振り絞る。
己の死を予見し、死が数秒後に迫り、精魂が尽きそうになった時、アキトは自身に眠る無数の可能性の存在を感じ取り、その扉を強制的にこじ開けた。
それは無意識であった。
アキトの雷迎を押し返そうとする強き意志と死への恐怖、そして生への執着が引き起こした現象であった。
アキト自身この瞬間を覚えているわけではない。
だが、アキトはこの瞬間だけ一時的に飛躍的な成長を遂げたことは確かであった。
そして、遂に、アキトは数秒にも満たぬ刹那の瞬間、ジカジカの実の覚醒へと至った。
大気を踏み締め、筋肉が大きく隆起する。
筋肉の繊維が千切れたと錯覚する程に両腕に力を入れ、アキトは咆哮を上げた。
雷迎が遂に押し返され、神の地から徐々に離れていく。
斥力の力が爆発し、波紋状の衝撃波が大気を大きく振動させ、神の地全土を震撼させる。
アキトの掌から途轍も無い衝撃波が生じ、雷迎は天へと凄まじい勢いで押し返された。
エネルはその信じられない光景に驚愕し、大きく目を見開く。
天へと押し返された雷迎はエネルと箱舟マクシムへと向かった。
アキトにより押し返された雷迎は凄まじい速度で箱舟マクシムへと飛んでいき、エネルへと直撃する。
箱舟マクシムを破壊されるわけにはいかないエネルは回避することなど出来るはずもなく、一身で雷迎を迎え撃った。
しかし、ルフィとアキトとの戦闘で満身創痍と化していたエネルに雷迎を押し返す力が残っているはずもなく、為す術無く天へと吹き飛ばされる。
雷迎とマクシムの間に挟まれ、エネルは自身の放った雷迎と共に雲を突き抜けていく。
「この程度で私がやられるかァ……!」
エネルは雷迎を両手の掌で受け止め、その勢いを殺そうと死力を尽くす。
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