第五十三話「各々の動き」
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上げ膝をかがめて見せた。それはまるで名家のご令嬢が道化の様におどけいる様であった。
この瞬間、士道と狂三の間に同盟が結ばれた瞬間であった。
「…うむぅ?」
精霊【プリンセス】こと、夜刀神十香は小さなうめきと共に目を覚ました。その眼に映るは自分の部屋。自分のベット。何時も通りの光景を見る。
「ふぁぁぁぁ」
大きく欠伸をした十香はいつも通りの行動をしようと動こうとして違和感を感じる。手足が動かないのである。まるで、何かに拘束されている感じに十香は疑問を持つ。
瞬間、十香の目に写っていた部屋はあっという間に様変わりした。生活感ある部屋は無機質な空間へと変わり十香も椅子に座っている状態であった。
そしてその椅子は十香を逃がさないとばかりに枷が付いており腕には点滴の針が刺さっていた。十香の視界には映らないが頭に何かが付いているのが感触で分かる。
「な、なんだこれは!?」
十香は改めて周りを見渡してみる。部屋の広さは教室ぐらいであろうか?十香を拘束している椅子と点滴以外には何もない無機質の部屋。部屋の角にはスピーカーとカメラが取り付けられている。まるで独房の様な様相であった。
「ここは…一体」
十香は必死に最後の記憶を思い出そうとうねる。そして、直ぐに最後の記憶を思い出し目を見開いた。
「そうだ、確か天央祭でステージに立っていて…」
誘宵美九に操られた【ハーミット】四糸乃、【ベルセルク】八舞姉妹。そして美九に味方する【SS】。そして最後に現れた白金の鎧を纏った魔術師。彼女に敗れ何とか士道を逃がす事は出来たものの自分は捕まってしまい、
「と言う事は、ここは…」
瞬間、目の前の壁が長方形の亀裂が入りドアの様にスライドする。そこから出てきたのは十香と戦った魔術師、エレン・メイザースであった。後ろには白衣を着た科学者らしき男もいたが十香の目にはエレンしか映っていなかった。
「貴様!」
十香は飛び掛かろうと力を入れるが枷は日々一つ入ることなく十香の動きを阻害する。
「落ち着いてください。今のあなたの力ではその枷を外す事は出来ません」
「ふざけるな!今すぐこの枷を外せ!」
エレンが落ち着いた声で宥めようとするも今の十香には火に油を注ぐだけで終わってしまう。
「外したところで、どうするのですか?」
「知れたこと!シドーを助けに行くのだ!」
「シドー…。五河士道の事ですか。安心してください。彼の行方は我々も調査中です。遅くとも数日中にはここへ連れてきます」
「なっ!」
「天宮スクエアの方も今攻略部隊を編成中です。夜明けと共に総攻撃をかけ【ディー
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