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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第一話 復活と異世界召喚
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てた)

「あ〜、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君たちと食べたらどうかな?」

南雲がミイラのように中身を吸い取られたお昼のパッケージをヒラヒラと見せる。

「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」

(うわあ‥‥‥クラスメイトの視線ヤバイな)

南雲にグサグサと刺さるクラスメイトの視線。そこに光輝たちも現れた。

「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、光輝のイケメンスマイルやセリフも効果がないようだ。

(聖と同じタイプだこりゃあ)

「え? なんで光輝くんの許しがいるの?」

「「ぶふっ‥‥‥」」

笑ってしまった。見れば八重樫も吹き出している。

「やっべ‥‥‥我慢できない。八重樫、大丈夫か?」

「む、無理よ‥‥‥面白すぎだわ」

八重樫と思わず笑い合う。そこに先生も乱入(?)してきた。

「あらあら、仲がいいですね」

この人は、畑山愛子先生だ。担任教師ではなく、社会科の教師だが自分のクラスの人とは仲が良い。

「あ、先生。いやあ、面白くない‥‥‥か。先生とは感性違うし‥‥‥」

「なんか酷くないですか‥‥‥」

「ま、いいじゃないですか」

俺は鞄から改造エアガンを取り出してガンスピンをして遊ぶ。


‥‥‥その時だった。


教室に魔法陣が現れたのだ。その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。

愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫ぶも‥‥‥‥遅かった。

魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったからである。

眩しい。俺は顔を隠しながら、教室にいた人を思い出してみる。聖、千秋、若芽、拓人、蜂起はみんないたのは覚えている。あとは‥‥‥光輝たちと南雲だ。

(さて‥‥‥厄介だがどうなる?)

やがて、光が徐々に収まっていく。俺はすぐに目を開け、周りを見渡した。

まず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。

背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。素晴らしい壁画だ。

「ここは日本じゃないな‥‥‥‥だとしたらどこだ?」

「あ、コウいたいた」

「聖‥‥‥」

「コウ、ここ多分異世界だよ。なん
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