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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第一話 復活と異世界召喚
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が覚めてから少しすると、声も普通に出るようになった。胸はかなり痛いが、聖に会えた嬉しさに痛みを忘れて喋る。

「うーん‥‥‥もしかして霊力の問題なのかな。あの時は夜だったから尚更かも。そして今回、死にかけたから私をハッキリと視認できるようになったんじゃない?」

なるほど、納得できる考えだ。

「てか俺死にかけたの?何があったんだよ」

「あ、聞いてないのか。ええっとね、コウは肺にある血管数百本が断裂したんだって」

「いや結構ヤバイやん」

「その併害で吐血したんだってさ。手術を何回もしてたよ?」

「うそん。手術したって‥‥‥体に何か入れられた?」

「大正解。人工の血管を入れられたよ」

「ええ‥‥‥改造人間じゃん」

こんな感じで雑談をする。約二年半ぶりの雑談は、途切れることなく続くのだった‥‥‥。

ガチャッ

「は!?隠れるね!」

聖が大急ぎでベッドの下に隠れた。体が完全に隠れた瞬間に、看護師さんが入ってきた。

「ファッ!?目が覚めてる!?先生ーー!!」

あっと言う間に去ってしまった。その後すぐに先生が駆けつけた。色々と質問されたが、胸の痛み以外は問題なしだと答えた。そこで俺は詳しい話を聞くことになった。

俺はあの時ぶっ倒れてから、一週間は目が覚めなかったらしい。その間毎日手術をしたとか。倒れたのが8月前半だったので、今は夏休み後半というわけだ。

「君は本当に運が良かったよ。生き残れるかどうかも微妙なラインだったからね」

「Oh‥‥‥」

「あ、そうだ。このことは一切他人に喋ってはいけないと君のご両親から言われたよ。友達にも言うな、とのことみたいだね」

「あ、そうですか。分かりました」

「多分、あと二、三日で退院できるよ。安静にしててね」

そう言って先生は出ていった。

「ふう‥‥‥バレないで良かった」

「バレるもんなの?幽霊じゃん」

「確かに幽霊だから普通はバレないけど‥‥‥たまに見える人もいるから念の為だよ」

聖曰く、霊感の強い人なら普通に姿を確認できるらしく、霊感の弱い人でも気配ぐらいなら察知できる人がいるらしい。見つかると驚かせてしまうので、聖は普段隠れているとか。

「幽霊も大変なんだなあ‥‥‥‥グビッ」

「そういえばコウ、今はハーレム目指してるの?」

「ブホッ」

思わず飲んでいた飲み物を吹き出してしまった。

「ゲホッゲホッ‥‥‥なんじゃあいきなり」

「え?違うの?千秋さんは正妻で若芽さんは側室とかじゃないの?」

「なんでそうなる‥‥‥‥」

「それで、体操で一緒に練習している女の子たちも側室なんだよね?」

「恋愛感情すら持ってないわ!」

「えー、どう
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